内容説明
なんだ坂。こんな坂。生きていく。その道程はこんなにも起伏にとんでいる。上り坂も辛いばかりではない。下り坂が楽とは限らない。人間の胸底を鮮やかに描き出した連作小説集。実在する坂を舞台に紡がれる、人生の黄昏どきに交叉する人間模様。「正論」(2009年11月号から2010年10月号)連載中より好評を博した珠玉の12編が単行本化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
69
大人の小説だ。とてもしみじみとした気持ちにさせてくれる。坂道の下から見上げた時、坂の上の向こうの世界はわからない。それがなんとも人生と似ているように思う。子供の頃、坂の上に住んでいた。坂の名前なんか誰も呼ばない。坂の上のとか坂の下とか言っていた。名前があったら、もっと見えていた景色に色がついたかもしれない…と今になって思う。佐藤さんの描く男と女は、いつも悲しさを纏ってバランスを取っている。もしかしたら、それこそが大人の男女の有様なのだろうか。悪人にはなりきれないちょいワル男たち。2015/03/17
Tadashi_N
31
坂道の思い出、影のある人達。どりこの坂は実際にあることを知っていた。三分坂や薬研坂は、出なかった。2019/01/28
Shinji
2
タイトルからいって もう少し坂をフューチャーしてもらいたかった… 「やりくり坂」はちゃんと由来もあり、繋がりにも好感がもてました。2014/09/20
遠い日
0
いつも「死」が前提にある。だが、暗くない。 力強い。でも、粘っこくない。佐藤さんはいつも「死」へ向かう「生」という捉え方。なのに、虚しくはない。“生きていればよい”、“生きるだけで尊いのだ”という肯定感に安堵するのだ。2011/07/03
波流人 tasogare archive
0
【勝手に惹句】 上りは二人、下りは一人。2020/05/17
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