内容説明
将軍家から格別の恩恵を賜っている伊奈家は、関東郡代を世襲し権勢を誇っていた。その裏には神君家康が隠匿した莫大な遺産を護るという役目が。だが、逼迫した財政を立て直すべく、幕府重鎮・田沼意次がその奪略をもくろむ。当主・半左衛門は武と智を尽くして応戦するが……。やがて迎えた対決の時、死してなお世を揺るがす家康の策略が明らかになる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
20
関東郡代 伊那家に残された家康の遺訓とは?をテーマに描いたお話でした。いつの時代も世知辛い。2015/07/18
誰かのプリン
11
家康から受け継いだ莫大な遺産を守る関東郡代 伊奈半左衛門。 その遺産を狙う幕府高官とは誰か。またその遺産を相続する資格のある物は誰か。 蘊蓄あり、すらすら読めて面白かったです。2017/03/07
onasu
9
江戸中期、田沼意次を敵に廻し、刀も交えた攻防劇。息を尽かせぬ展開で、一気読みでした。 関東郡代伊奈家は、その役職を代々世襲していた。その裏には、神君家康公より秘密裏に託されたものがあった。幕府の財政逼迫の折、それを知った時の権力者 田沼意次は、陰に陽に画策するも、伊奈半左衛門が防戦していく。そして、そもそもの話しは、三河の時代にまで。 忍びも交えた戦いには、興が募りました。伊奈半左衛門の武張った中にも明晰な判断と、田沼意次の先見性と合理的な決断とが相まって、小気味よい展開になっていました。2011/05/04
いっぺい
6
神君家康が残した莫大な遺産を巡って、伊奈半左衛門と田沼意次の争い。非常に現実的で最後の結末は哀愁が漂う。出来れば半左衛門と家臣団は最後まで一枚岩であって欲しかった。2011/06/21
わたしは元気
4
田沼意次の執念、恐るべし。2021/08/24