水域(下)

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水域(下)

  • 著者名:漆原友紀【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2013/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784063107258

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内容説明

少年・スミオとその父が住む“夢の村”。他には誰もいないその村に、母親や友達が大勢戻ってきた。若い頃の姿をした千波の母は、千波に「ここは今はもうない場所だ」と教える。その直後から、千波は、朝目覚めても元の世界に戻れなくなってしまい……。――すべてを知った時、人々は自分が居るべき場所を悟る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

120
素晴らしかった!後半は涙が溢れて仕方なかった。長い長い年月、確かに存在した村の風景、人々の暮らし。人と村の生と死、中でも特に澄夫のことを思うとたまらなくなる。ダム建設が自然破壊をするとかそういうことじゃなく、普段当たり前のように使っている水に対しての考えが、すごく深まって。それだけでも読んだ価値があったと思う。ファンタジー要素を取り入れながら、うまく表現された数々のテーマだが、ダムによって沈んだ村が現実にあちこちにあるわけで、決して架空と言い切れない想いが残る。真夏に読むにはあまりにぴったりな作品だった。2013/07/23

眠る山猫屋

51
水は記憶するのか。 喪われた子供を、失われた時間を。 村を生きた女性たちの視点から語られたのは、人の世の移ろいゆく様、人の心の変わりゆく様。そしてなかなか変われなかったのは男や少年。ちょっと象徴的。女性は全てを受け入れる強さを持つ分、水のような存在なのかもなぁ…2011/11/21

Nyah

44
本棚整理で再読。/しみじみ良い話。本棚に隙間があれば残した。/スミオは少年時代に行方不明になっていた。千波の伯父にあたる。スミオが千波の前で龍神の祠に祈ったように村に人が帰ってきた。帰ってきた村人は同じ夢を見ていたようだ。そしてダムが干上がったニュースを見て、意識のなくなった千波を村から連れ戻すため、母と祖母はダムに向かう。そこで彼らは千波と一緒にいるスミオと祖父に夢で会う。そして、ニュースを見た母の友達がダムに来て、祖父の現在を教えてくれる。‥美しい景色、竜の伝説、夭逝した少年。2023/03/19

moon

40
ダムに沈んだ村が現れ、人々の意識も今はなき村に集う。人の心に残る記憶、記憶の水の中に生きる少年。人は出会いと別れ、偶然の再会、再びの別れが新たな絆を紡ぐ。再びダムの底に沈む村。水面を眺めながら、思いを馳せる。「…私は、ここから来た…」 静かに心が揺さ振られ、涙が伝う。ぜひ読んでみて下さい。2012/12/13

exsoy

29
仄暗い水底が、雨に煙った村が、思い出の中の彼が、光って見えた。2011/01/26

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