集英社文庫<br> 怪奇小説という題名の怪奇小説

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集英社文庫
怪奇小説という題名の怪奇小説

  • 著者名:都筑道夫【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 集英社(2016/02発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087466591

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内容説明

「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」――長編怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

139
道尾秀介さんがこの本を読んでご自分ん著者名に入れたということでの再読です。解説は道尾さんです。しかも表紙が新しくなっての新刊です。今読んでもやはり語り口のうまさがあると感じます。やはり落語の弟子でもあったということもあるのでしょう。書いている本人が楽しんでいるような気がします。2015/11/21

nobby

126
何だそりゃ!?唖然としてニヤリとしながら置いてきぼり喰らう驚愕の結末…怪奇とは①あやしく不思議なこと。②姿、形が奇妙で無気味なこと。作家自ら内容に迷走した言い訳から始まる冒頭が斬新(笑)古きマイナー外国作品を時代や舞台設定を変えて盗作しようなんて試みが生む現実と虚構の交錯を、いつのまにか混乱しきり存分に楽しんでいた。そして気付いてみれば畸型にLGBTに官能に怪物まで幾多の怪奇が語られていたことに脱帽!“Purple Stranger”が示したトリプルミーニング、謎で不気味な存在が導いた真実は何とも切ない…2021/09/09

藤月はな(灯れ松明の火)

74
この本には目次というものがない。裏表紙から始まった後、いきなり章題なしの章から始まるのだ。加えて内容も奇天烈だ。主人公は怪奇小説を書くことを依頼されたのだが、様々な怪奇小説をネタに、実体験を基にして書こうとしても書けず、盗作まで行う。その苦心の間に起こるのは、女のように見えるが男である従姉、死んだ筈の従弟の行方。それに絡むは、ねっとりしているのにやけに軽いポルノグラフティとミステリと逃避行、ホラー、奇談、冒険小説、狂気など。とにかく、脈絡がない、読者を混乱の渦に巻き込ませる闇鍋のような珍妙作。2013/11/25

chiru

72
主人公はミステリー作家の「私」。都筑さんの実話だと錯覚しそう。アイデアがうかばない作家が、アメリカのマイナー作家の作品ならバレないだろうと盗作する話。1章は『何を書くか、迷いに迷って題名もつけられない』ではじまり、盗作元の小説に“現実”がシンクロしていく。終章は、プロセスエラーのような混沌とした結末を迎えます。深読解釈は、創作は刹那でも作品は永遠、無から有を生みだす永遠の世界に自ら囚われることが作家の”書く”作業だった、ということかな。もやもやするのに、なぜか惹かれる作品でした。 ★32019/05/27

山田太郎

66
退職刑事と誘拐作戦(だったかな)はすごく面白かった記憶がある。作品によってはすごく奇妙なもん書いてるイメージがあったけど、これもけっこう変。カテゴリー分けしにくいところがものすごく好みです。2014/07/22

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