内容説明
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。はたしてそうなのか。著者は反芻(はんすう)し、問い直す。しかし賢治はそう確信して「慈悲」を希求し、それゆえ自らに怒りを向ける。「世界のぜんたい」に人生を捧げる。痛ましいほど美しく清らかな賢治の想いを、同じく文学と宗教に生きる著者が描く。(講談社文庫)
目次
第1章 「春と修羅」の周辺
第2章 愛と慈悲、そして行き過ぎる表現
第3章 動物への慈悲、あるいは美しき徒花
第4章 静なる職業と慈悲
第5章 自力の慈悲、他力の慈悲
第6章 慈悲と通信
第7章 「もう一つの国」と植物たち
第8章 田園とインドラの網
第9章 慈悲のからだと「雨ニモマケズ」
第10章 「聴く」という慈悲
感想・レビュー
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- 電子書籍
- 名作なんか、こわくない