内容説明
三代家光の時代。大老の密命を受けた近習・椎ノ葉刀馬は伊賀、甲賀、根来の3派を査察し、御公儀忍び組を選抜する。全ては滞りなく決まったかに見えたが……それは深謀遠大なる隠密合戦の幕開けだった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
58
主要な忍者は3人と少ない分、濃い忍法帖という感じがします。何度も闘うのでお互いの手の内を知っている緊張感がはりめぐらされていますね。妖艶奇怪この上ない忍法に圧倒されます。それぞれの思惑を胸に躍動するのが迫力を感じました。伊賀、甲賀、根来の忍法は淫猥で奇天烈ですが、特徴の異なる忍法が掛け合わされることで、物語に変化が生まれ、絶妙さも増しているように思います。闘いとエロティシズムがいい塩梅です。忍法と知略の闘い、忍法帖らしいやるせなさに惹かれました。2014/12/11
夜長月🌙新潮部
45
忍術の名を借りた新しい官能小説かと思えるほどのSexのオンパレード。伊賀の忍法任意車、甲賀の白朽葉、根来組の濡れ桜といずれ劣らぬ奇想天外な忍術であり美女を次々と悶えさせては操ります。しかし、その手の単なる娯楽小説かと思いきや一転して天上から人々を動かす神のごとき展開はさすがに山田風太郎氏です。2017/08/12
カノコ
28
甲賀、伊賀、根来の忍びの三派のうち、最も優れた一派は何か?何というか、口にするのも憚られるようなエログロ忍法の応酬で、女性なら顔が引き攣ること請け合い。詳しく語ることは差し控えるが、本当にお下劣で「一体何の役に立つの?」という忍法ばかり。しかし、山田風太郎の手にかかれば、まさかのクールな頭脳戦として語られるのです。登場する忍びが三人のみ、術も限られているという極限までのシンプルさが、物語の謀の上手さを際立てている。全ての戦いが終焉した後は、思わず唾を飲む程の美しい残酷な幕切れ。まさに、忍法は、忍の一字。2017/08/06
有理数
26
超傑作。「舌で舐めた部分を性感帯化させる忍術」VS「性行為をした相手の精神に乗り移る忍術」VS「性行為後に相手の女を殺し、その血液を刀で飛ばして血液に触れた者の肉を溶かす忍術」という下品忍術バトルから始まり、正直序盤は笑い転げて読んでいたが、徐々に忍者としての矜持と思惑が濃密に絡まり合う巧妙な展開となり、白熱の決闘、頭脳戦が咲き乱れる至高のエンターテイメントとして熱を帯びエスカレートしていく。ずるいよ……何者だよ山田風太郎……あらゆる戦いを越えた向こう側の景色に感動で打ち震えました。素晴らしい忍者小説。2016/10/26
けやき
24
【再読】やはり山風クオリティに間違いなし。 「ああ。――まことに忍法は忍の一字」2015/09/23
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