内容説明
尚も読み進める三津田と飛鳥信一郎の周囲の異変は激しさを増していく。解き明かさなければ破滅が待つ。2人は“本”の恐怖から逃れることができるのか。最終話「首の館」の扉が開く。著者の綴る異界の源がここにある。驚愕のホラー&ミステリ完結編。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
128
期待高まるばかりの最後の謎解きに引き込まれ、振り回されて面白い!まずは同人誌の引き起こす怪異のカラクリ知りたいばかりに軽く読んだ短編だったが、最終編「首の館」はなかなかの大作。何だか『そして誰もいなくなった』系が続くと感じてたら、そこにも仕掛けあってビックリ!何にしても、この作品の魅力はやっぱり最後の『迷宮草子』解明パート。突然ぶち込まれる信じ難い事柄の羅列の怒涛ぶりは、メタで反則的だけどドキドキワクワク(笑)「そんな馬鹿な…」で終わらず、「そんなんあり!?」でゾクっとさせられたラストは嫌いではない。2017/08/29
KAZOO
127
下巻には3つの作品とその解決が示されています。読むたびに怪異が訪れる様な感じですがこの下巻にはアガサ・クリスティーの作品をおもい出させる「朱雀の化物」が傑出していました。入れ子が二重になっているような感じでの最後の決着の付け方でうまくやられたという気がします。折原一さんの作品を思い出しました。2018/11/14
キムトモ
100
もっとホラー度強いと思ったら…ミステリー色が強く好みではないなぁーが感想…自分の想像力が乏しいのか高評価についていけない_| ̄|○(ノ-_-)ノ~┻━┻シリーズで購入したので次作へ2022/11/16
セウテス
68
作家三部作シリーズ第2弾下巻。作中作後半の三作と、「迷宮草子」その物の謎を解こうとする章節。「そして誰もいなくなった」スタイルの謎が展開される「朱雀の化物」と「首の館」は、ちょっと流行りのパターンだが、その伏線の配置の巧みさと大胆さに思わずニヤリとしてしまう。特に「首の館」は、推理しうるパターンが幾つか在る為、どれが正解か後程にしか判断出来ない。ある名前から、トンでもない事を見付けて仕舞った為、ラストまで訳が分からなくなってしまった。最後のオチには素直に喜べないが、きっちりと推理を堪能出来るのは凄い事だ。2017/04/22
オフィーリア
50
作中の同人誌「迷宮草紙」の謎を時明かさねば怪異に現実を侵食されるという入れ子構造を利用した連作ホラーミステリ。この構造により三津田先生のアイデア豊富な多様なミステリを楽しんだ上に現実がじわじわと侵食されるホラー成分も味わえるお得な仕様。堪能させて頂きました2024/04/20