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内容説明
世間的には成功を収めたと称賛されるあの会社。いちどは急成長を遂げて躍進したこの会社。そうした「成功企業」が、あるときから坂を転げ落ちるように衰退することがある。かつて増収増益で潤った会社が、ダメになるのはなぜなのか。その原因は、経営者とその精神に由来する。だとするならば、経営者たる者は、どんな資質を備えるべきなのか。資本主義の水脈のなかに現代企業を位置づけ、御社のあるべき姿を考える経営論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baboocon
16
タイトルから想像したのとは違う内容だった。個別のダメになる企業の話ではなく、株式会社という制度と株主、経営者のあり方から資本主義の精神を問い質す。まともな会社であるためには、所有構造は関係なく、またいかに制度を厳しくしても効果はない。まともな経営者を選ぶことが何よりも大事だというのが著者の主張。まともな経営者というのは資本主義の精神を宿した人間なのだと。その資本主義の精神とは、という部分については少し抽象的だったのだが…。文中で紹介されている「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をあたってみるか。2011/04/19
Yusuke Yasuoka
3
師匠にお年玉として頂き、読ませてもらいました。 「会社は誰のものか?」という問いかけ自体が不毛であるということ、経営学の分析が本質を捉えていないことなど、一歩引いて冷静に考えれば「あたりまえ」のことを見落としがちになっているということを思い知らされる。 途中の経済学批判(?)のところあたりが一番面白かった。2014/01/19
ぽん教授(非実在系)
2
まともな経営者とまともな株主とまともな従業員がまともな環境を形成しまともな組織を形成する。会社=所有物=株主が好き勝手破壊したり切ったり売ったりして良いもの、という資本主義の精神のかけらもない考えが良くないのだ、と組織経済学のダメさを交えて恐らくかなり愚痴が入りながら熱く語っている。結局長期的な視野がなかったりフリーライダー主義の儲け主義者をどうやって排除しまともな人を増やし育てるかが問題なのである。2015/11/03
クジラ
1
高橋伸夫の熱い思いが伝わってくる本であった。高橋伸夫の経営学は単なる精神論だと批判する人がいるが、その精神論に真実があると思う。高橋伸夫は、経営学を一周回って真実の一端に到達している気がするが、現実の企業社会の中でその真実に到達できることが重要。さて、自分はどうだろうか。2020/11/01
na
1
どう経営者を選ぶかを考える本。どこかから引っ張ってきた人じゃだめで、やっぱり企業に想いがあって、周りの見えるまともな人がいいみたい。2015/05/06