大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか?

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか?

  • 著者名:草薙厚子【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • イースト・プレス(2014/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781605043

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

子どもたちの「脳」にいま、起こっていること。―少年犯罪と発達障害について考察するドキュメント― あなたのお子さんは、こんなサインを発していませんか?

◎いろいろなことを話すが、状況や相手の感情、立場を理解しない。
◎周りの人が困惑するようなことも、配慮しないで言ってしまう。
◎言葉の本当の意味がわからず、表面的に、言葉通りに受け止めてしまう。
◎会話のしかたが形式的で、抑揚がなく、間合いが取れない。
◎みんなから「○○博士」「○○教授」と呼ばれている。 
◎ある行動や考えに強くこだわり、変更や変化を嫌がる。

―少年事件を取材していくと、多くの少年事件の加害者は、「広汎性発達障害」という精神医学的な問題を持っていた。彼らは「悪意なく人を殺そうとした」ことや、「犯した罪の重さを実感できない」加害者たちだったのである。「殺意がないのに人を殺してしまう子どもたち」に、私たち大人はどうすれば気づくことができるのか。その行動を未然に防ぎ、回避するためには、いったい何が必要だったのか。そのことを、実際に起こった事件から考察してみたいと思う。

目次

はじめに―「動機が不可解」な少年事件の取材でわかったこと
第1章 発達障害とは何か?
第2章 佐世保小六女児同級生殺害事件
第3章 静岡タリウム少女母親毒殺未遂事件
第4章 奈良エリート少年自宅放火殺人事件
第5章 少年事件と「脳」の関係
第6章 親たちに何ができるか?
第7章 学校に何ができるか?
第8章 司法に何ができるか?
終章 私が『僕はパパを殺すことに決めた』で伝えたかったこと
おわりに―発達障害者と共存できる社会をつくるために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

pino

130
筆者は不可解な動機の少年犯罪事件の要因の一つに発達障害があると言う。その事実をマスコミが正しく伝えず「心の闇」として報道される事に危惧を抱く。本書では3つの事件を取り上げ、障害に対する偏見を無くした上で、早期発見、ケア、支援体制の構築を訴える。氏の意図は分るが、最終章『僕パパ』を巡る記述は必要だったのか?例え「調書」を一字一句違わず公表しても障害の「心の闇」は解明出来るとは思えない。自身の誤解を生む行動が「バイアス」を掛けたのでは?氏の「正義感」が空回りしている印象。発達障害者の問題はそんな単純ではない。2012/12/12

パフちゃん@かのん変更

48
発達障害はクラスに2人くらいはいる。この子たちが犯罪者予備軍ではないが、頭のよい真面目な子であっても人の気持ちを理解することが苦手でパニックを起こすことも多い。筆者は発達障害の子を早期発見早期治療して他人との良い関係を作れるようにすれば、理解不能な少年犯罪が未然に防げるのではないかという考えを持つ。だが、実際はどうだろうか、例え病名が付いたとしても確実な治療法があるとは言えないし、いたずらに不安をあおるだけかもしれない。まあ、病名が付くことで親の育て方が悪いなどという不当なプレッシャーからは逃れられるし、2012/11/27

テツ

18
少年犯罪と発達障害について。一般的な成人が収容される刑務所でも全受刑者の20%が知的障害者だと以前何かで読んだことがあるけれど、よっぽど邪悪な意志をもつわけでもないのに、ついうっかり罪を犯す(法を守ることができない)ということは、何らかの精神的な疾患が疑われるケースが多いのかもしれない。罪を犯した人間を障害があるからといって治療するだけで社会に解き放つというのなら反対だけれど、障害がある人間が道を踏み外す確率を下げるために、社会全体でケアしていくというのなら賛成だ。それはぼくたちのためでもある。2020/12/13

Maiラピ

16
「広汎性発達障害」の子どもは重大な少年犯罪の加害者になる可能性が高い、だからもっと一般に認知され、自覚し、支援される環境が大切であるという趣旨。40人のクラスに2人の確率で存在するデータに驚愕。人生で2人そういう資質を持った人を知ってるが一人は国立大院生でもう一人は大卒の公務員。2人とも奇異な言動によりイジメの対象だった、たぶん今も。頭がよかったので誰も障碍という配慮をしない。周知・支援される環境は必要かも。『僕パパ』草薙さん著、あの本は事件になった時に図書館ですぐ廃棄の対象となったな・・・2010/12/14

たこやき

14
読んでいて判らないのは、なぜ、発達障害を語るのに、センセーショナルに報じられた事件を題材にする必要があるのか、という点。なるほど、その事件の犯人は発達障害だったかも知れない。しかし、それは特殊な例でしかない。著者は「発達障害が事件に結びつくわけではない」というが、事件を生々しく語った後に「早期発見」「早期認知」「早期療育」が必要と結論づけると、結果、「発達障害は危険な存在」と読めてしまう。結論などは、本人の苦労を軽減するにも必要だろうが、事件を題材にする必然性が一切感じられ無かった。2010/11/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/672046
  • ご注意事項

最近チェックした商品