角川文庫<br> 光射す海

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角川文庫
光射す海

  • 著者名:鈴木光司
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
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  • ISBN:9784041880142

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内容説明

海岸で倒れていた女性は、言葉と記憶を失っていた。しかも妊娠4ヶ月。彼女はいったい誰なのか? 精神科医の望月は、彼女の過去の物語のかけらを探し始めるが……!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

69
大阪オフ会で同じグループだった:ろんちゃんの一押し本。読みやすい中に「くよくよ思い悩む前に、口に出して実行しろ。」という教訓あり、船から海へ転落し「いかだと同じ潮流に乗って、つかずはなれず漂って」38時間後に遭遇するドキドキ感のある後半は冒険小説として楽しめて満足!2015/03/04

みっぴー

57
第十一回横溝正史賞候補作。『ウォール・フルーツ』を改題。『リング』系の鈴木さんではなく、"海"を通して"生"と向かい合う、海洋冒険の方の鈴木さん。入水自殺を謀った記憶喪失の女性。彼女のお腹には赤ちゃんが。口をきくことすらできない彼女が、なぜか口ずさむ歌。。。誰も知らないこの歌をきっかけに、徐々に謎が氷解していく。登場人物は、相変わらず女は怖く、男は苛立たしい人達が揃っています。『海の偉大さに比べたら、日常の悩みなんて些細なこと。』というのがテーマでしょうか。すっきり感は弱め。2017/11/22

あきつ

8
遠洋漁業のマグロ船の船内という閉鎖的な場所で蠢く『動』の恐怖と、精神神経科の病院内での『静』の恐怖の二つを柱にいろいろな『命』が描かれている物語。怖さの表現は流石の一言ですがイヤミスで終わってほしかったかな。2015/01/07

シロ太

7
著者にしては珍しく希望に「光射す」物語。序盤は誰を主軸に読めばと戸惑い、舞台がいきなりニュージーランド沖にぶっ飛びずっこけました。私は学生時代「海洋実習」と称して黒潮沖合にて十日間小型船で過ごした経験があるので、船上の描写は懐かしかった。海の男はあんな粗暴な連中ばかりではないです(笑)。健史は若気の至り。ゆかりと暮らしても遅かれ早かれ辟易して洋一同様逃げ出します。望月には目に見えていたと思います。洋一の豹変は文字通り板子一枚の生活をした者でなければわからないでしょう。人気の無い作品ですが読んで良かった。2012/12/12

ちえちゃん

4
海辺で発見された女性は言葉と記憶を失っていた。彼女のお腹には新しい生命を宿していた。彼女と深い関係にあった男性は遠洋マグロ漁船にいた。精神病院で彼女と出会った違う男性は彼女に恋をする。精神科医の男性が下した女性の病名とは?病名により人生を狂わせられた女性に本当の幸せは訪れるのか?発病率50%という病を通して彼女の生き様を三人の男性の視点からみつめる内容。遠洋マグロの過酷な環境の中で展開されるストーリーもどんどん読者を引き込ませる。この女性ほんとに幸せになってほしいな。2021/09/11

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