内容説明
明るすぎるし、見晴らしがよすぎる。どうも死ににくい。
飄然から超然へ。爆発する自意識。世界を睥睨する町田文学の新境地。
「もはや死神にも見放されたか」
波をわけて進む舟の前方には田宮の町が見えていた。日はいままさに山の向こうに沈まんとして、
山の斜面に建ち並びその残照に輝く白い建物が墓標のようであった。
誰の? ほほほ。善哉。善哉。(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
141
町田康は、マイブームの作家です。新作の『生の肯定』を読む前に三部作の未読前2作、第一弾は『どつぼ超然』です。最初から町田康節炸裂!!! 当初から三部作を意識していたのか、本書では完結しません。超然者、善哉(よきかな)、善哉。続いて第二弾『この世のメドレー』へ。2018/01/05
ペグ
67
ふざけてみえる町田康さんの妄想の先にあるものとは?ほほほ。善哉。善哉とつぶやく。深い。電車の中で読むのはやめとこう。変質者に間違えられそう。再読予定!2018/07/25
めしいらず
61
人生とは選択だ。進学就職転職結婚離婚…今日の晩飯や道の右左折すら。だから今、大小全ての選択を丹念に辿った線の先にいるのだ。街中の岐路には道標があるように、人生の岐路にも道標があればどれほど心安いだろう。腹立たしい事にあえて近づいて立腹する。誰かを貶めて自分を高い位置に置く。兎角自分の事は見え辛い。水が低きに流れるように、人は易きに流れるもの。超然を目指して生きていれば悲哀や憤りから解放されるだろう。けれど同時に愉悦までも失ってしまう。いいとこ取りはできないのだ。「難儀なものだよ、人生は」。それもまた善哉。2017/10/09
里季
50
町田康久しぶり。くっくっくっと笑ってばかりではない、一筋縄ではいかない。比喩の部分が独特でものすごく長かったり、一文が長かったり、で、結構読むのに時間がかかった。で、途中でタイムアウト。また読みたいと思う。2018/09/11
michel
24
★3.7。町田節全開。”超然”を目指すうちに、結局”普通”に生きてく。私自身、今の職場の人間関係に苦しんでる最中だったので、”小さな奴と争ってなにが超然か。余は貴様のことなど歯牙にもかけない。無視。鹿十。アデュウ。”に救われる。とにかく何事も”善哉。善哉。”で明るく生きてこ。2018/05/31
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