内容説明
645年の大化改新―聖徳太子亡き後、天皇の実権を剥奪、反動勢力の代表となった悪役・蘇我入鹿を、改革派の英雄・中大兄皇子や中臣鎌足らが討ち倒し、いわば王政復古を実現した政治クーデターというのが定説である。定説は本当に正しいのだろうか?改新政府は自らの危険を顧みず、なぜ難波に遷都したのか。蘇我入鹿は本当に悪人だったのか。中臣鎌足という人物は、いったい何者なのか。百済救済の戦いが強行された理由とは。著者は、中大兄皇子や中臣鎌足の実像に迫るほど、定説とは異なる謎が次々と浮き彫りになるという。本書は、『日本書紀』に仕掛けられた罠を看破し、大化改新を巡る衝撃の真相を明らかにした意欲作である。
目次
巻頭カラー 「飛鳥」歴史ガイド・みどころ(歴史ガイド;みどころ)
第1章 謎多き古代の改革(改革潰しとしての大化改新と明治維新;どうしても解けない謎 ほか)
第2章 呪われた行政改革(王陵の谷に眠る聖徳太子;なぜ律令制度を整備する必要があったのか? ほか)
第3章 二つの日本の死闘(中大兄皇子を襲う不審火;民衆の心を逆なでしていた皇子 ほか)
第4章 改革潰しの全貌(なぜ藤原氏は崇る聖徳太子を恐れたのか?;天武天皇と蘇我氏の濃密な関係 ほか)