- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
あきらめるのはまだ早い! 逆転の発想で、本当の数学的思考力が得られる!数学嫌いの学生約千人に、嫌いになった本音をアンケート調査して聞き出した。その理由は意外と簡単なものだった――「もっと楽しそうに教えてほしい」「公式をいきなり暗記させられた」「数学ができない血筋だ、と親に言われた」「単純な計算ばかりやらされた」「先生の言う通りでない解答はダメなのか」「悪い点をとって先生や親に怒られた」など、10の項目に分類し、その対策と改善策を具体的に提言する。どれもすぐに「できる」ものばかり。彼らは「もっと、本当の数学に触れたかったのだ」と分かった。日本人はまだまだ捨てたものではない。ちょっとしたことで数学が好きになれる。「考える力」がみるみる身につく、本当の数学的思考力へチェンジ(変革へ)!
目次
1章 「数学嫌い」の声に耳を傾けよう(「算数や数学は、もっと楽しそうに教えてほしい」 「学校なのに公式の成り立ちを教えないで、いきなり暗記をさせられた」 ほか)
2章 「数学嫌い」の原因は人である(数学の「好き・嫌い」と「できる・できない」は一致しない 優秀過ぎる人は凡人の頭の中が分からない ほか)
3章 算数・数学学習のヒント(数学と理科・統計の関係 「すべて」と「ある」 ほか)
4章 親の心構え(数学好きになるきっかけは十人十色 「誤りこそ大切」という気持ちをもつ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
53
大学生へのアンケートをもとに数学が嫌いになった理由を取り上げ、その対応方法を解説している。「公式の成り立ちを教えてくれない」とか「単純な計算ばかりやらされた」等、数学特有のものもあるが、「先生の言うとおりの解答でないとダメ」など他の科目にも当てはまることも多く取り上げられている。小学生の算数は一種のパズルみたいなところもあるが、算数や数学は積み重ねが重要な科目なので、どこかで躓くと「数学嫌い」になりやすいといえる。数学不要論もありがちな議論だが、論理的な思考は数学から学ぶ必要があると実感できた。2022/08/04
み
17
どっちかというと指導者が読む本だった。高校時代、数式を見ると目がすべり空想の世界にトリップ、眠気に襲われるという悪癖があり、そしてそれは今でも変わっていないことを再認識させられました…笑。小学校の先生が掛け算の順番を守りすぎて批判されるってよくあるけど、彼らは全教科が教える対象だから自分の専門外って自信がないんですよね。だから指導書や業者が作ったテストが絶対的なものだと信じていて、それ以外の解答が正しいものなのかわからないことが多い。そしてそうやって教えられた子が教師になり…という悪循環。うーむ悩ましい。2018/06/07
りょうみや
10
数学嫌いの挙げられた10の理由全てが教師の教え方や親のせいにしているのが印象的。数学嫌いの原因は人であるらしい。個人的に思う理由としては、本文にもあるように数学が何の役に立つのか分からないところと、数学は基本積み上げ方式のため、一度つまずくとそれが後々まで影響してどこが分からないのかも分からなくなるところだろうか。あと一度拒否反応がでるとそれを克服するのは容易ではない。2016/10/16
ちくわん
9
大変興味深い本だった。本当は「日本人はなぜ数学が嫌いになるのか」である。マークシート、日本人固有の意識、ゆとり教育など様々な要因があるが、結果、ちゃんとした数学を教えることができる人がいなくなり「絶滅」寸前。というのが著者の活動であり、主張だと思う。大学の理学部数学科が日本全体の数学レベルに寄与するとは思わない。むしろ教育学部の数学専攻が日本の「算数力、数学力」復活の鍵を握るのではないか。私自身は共通一次世代、理学部数学科入学、4年間の冬眠を経て社会人。数学は得意ではないが嫌いではない。2018/04/30
おりぜる@論文終わるまで読書可能時間激減
9
Kindle版。アンケート調査から、数学嫌いのメカニズムを分析。聴衆に興味を持たせ、理解できるように授業を行う事の重要性とそのためのヒントがある。数学だけでなく、他の授業にも応用できそう。2017/01/23