新潮新書<br> 異形の日本人

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新潮新書
異形の日本人

  • 著者名:上原善広【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2015/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106103872

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内容説明

虐げられても、貧しくとも、偏見に屈せず、たくましく生きた人たちがいた。哀しい宿命のターザン姉妹、解放同盟に徹底的に弾圧された漫画家、パチプロで生活しながら唯我独尊を貫く元日本代表のアスリート、難病を患いながらもワイセツ裁判を闘った女性、媚態と過激な技で勝負する孤独なストリッパー……社会はなぜ彼らを排除したがるのか? マスメディアが伝えようとしない日本人の生涯を、大宅賞作家が鮮烈に描く。

目次

第1章 異形の系譜―禁忌のターザン姉妹
第2章 封印された漫画―平田弘史『血だるま剣法』事件
第3章 溝口のやり―最後の無頼派アスリート
第4章 クリオネの記―筋萎縮症女性の性とわいせつ裁判
第5章 「花電車は走る」―ストリッパー・ヨーコの半生
第6章 皮田藤吉伝―初代桂春團治

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

109
アウトローとして生きた日本人の人生を描く6つのノンフィクション。想像もできないような数奇な人生が描かれており、非常にお勧め。特に良かったのは4章の「クリオネの記」と5章の「花電車は走る」。前者では筋萎縮症の女性が、医師に性的な虐待を受けて、裁判で勝訴を勝ち取るまでが書かれている。障害者の恋愛や性、日本の医療制度、医師の倫理観など読み手に多くのことを問いかける内容。後者はストリッパーの女性の生き様を浮き彫りにする。ユーモアとペーソスがあり、その女性が死期の迫った父親に会いに行くシーンでは涙がこぼれた。2015/03/01

Miyoshi Hirotaka

45
異端を生み出すメカニズムや背景は今も健在。例えば、大手新聞社の無責任なゴシップ記事、表現に過度に干渉する市民団体、個人的感情からの報復記事、保身目的の専門知識や職業上の立場の悪用、成功物語を期待する風潮や成功者への妬み。しかし、異端とされた人には凡人には見えないものを目指しているだけで、一歩先や別の道を歩いているだけという場合もある。それらすべてをアウトサイダーと分類し、差別、被差別という共通の視点でくくるのは無理だ。反差別や人権というテーマは耳触りよいが、作られた異端とその背景や意図には注意が必要だ。2012/02/18

ホークス

38
障害、不幸な育ち、出自への差別、独創性への攻撃などが、世間に対する虚しさや悔しさを生み、「認められたい」という執着に至る。執着は強い力を与えるが、妖刀の様に使い手までも切り刻む。同様の宿命を負いながら、観察者の道を選んだ著者にとって、「異端」の人々を取材する事は責務なのかもしれない。平田弘史は作品名「血だるま剣法/おのれらに告ぐ」が既に怖い。やり投げの溝口のがむしゃらな破天荒。初代春團治と坂田三吉は出自をバネに実力を磨いた。本書には目を覆いたくなる話も多いが、淡々と語る著者の眼差しは常に優しい。2017/04/06

メタボン

36
☆☆☆★ 異色の人物を追ったノンフィクション。やり投げの溝口のトレーニングがすごい。桂春団治の波乱万丈の芸人の人生は面白かった。ストリッパーの「ファイヤーッ」の絶叫は笑ってしまった。でも本人は必死なんだろうな。障碍者に対する医師の淫行はひどい。2016/12/22

GAKU

34
今ひとつでした。2019/06/25

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