内容説明
いま、なぜ江戸時代が大事なのか。養老氏・徳川氏いわく、われわれがこの時代の社会に学ぶべきは「人の力」であるという。「世間」に配慮して欲を抑える個人の忍耐や、目上や同僚が仲間を叱咤する習慣の積み重ねが、二百六十年ものあいだ平和と国力を築いた原動力だった。武士も町人も美学をもち、己を律することを知っていた。だからお上の威光は「そこそこ」でよく、行政の実務は町人や農村の顔役に任せた。お触れ(法律)の実施についても、杓子定規ではなく、「目に余る」ときに罰した。法より世間の目が社会秩序を守ることを知っていたからである。翻ってこの十数年、日本では条例・法律や規制の類がやたらと増えている。だが、それで世の中が良くなったかといえば、むしろ悪くなったと感じる方が圧倒的に多いのではないか。風通しの良い社会を築くために、いまこそ江戸の智恵が必要である。グローバル時代に生きるヒントと、日本人の美質を発見する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NOBU
15
お馴染み養老氏と「世が世なら将軍様」徳川氏の対談は、江戸の政治や経済に範を仰ぎつつ世界の中の日本の立ち位置を語る。非常に懐の深い話題はイチイチ頷く事が多い。そして、様々な問題を孕みながらも日本ってええなぁと思わされる。徳川氏のカタカナをあまり使わない日本語が品が良く美しい。2011/07/23
nonnomarukari(ノンノ〇(仮))
6
養老先生の新しい本だと聞いて読んで見た。今回は徳川宗家第18代当主、徳川恒孝氏との対談。最近の日本のことについて色々述べていた。前々からいっていたように日本の森を再生させろとか等以前から養老先生が本で述べられていた事を述べている。江戸時代を見直そうとのことだが、なんだかいい事ずくしばっかし言っているようで少々怪しい気持ちになった。この二人は江戸時代を美化しすぎているのではないかとある種の危機感を持ってしまった。(まあ、徳川家の人はある程度自分が統治した時代だから自慢したい気持ちもあるのだろうけれども・・)2010/12/02
yuk0
4
徳川宗家第18代当主、徳川恒孝氏と養老孟司先生の対談に惹かれて手にした1冊。徳川氏の語ることばは、気品溢れるというか、とてもいい意味で、世間とは少し距離をおいた視点で論じているところが非常に興味深い。2010/11/28
mari
3
養老孟司先生と徳川宗家第18代当主の徳川恒孝さんとの対談。フツーの日常がもうちょっとなんとかなりませんかね〜の対談らしいです。江戸時代に学ぶこととは?なかなか興味深いです。2010/10/25
ねええちゃんvol.2
0
★★★2014/05/03