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内容説明
ガウディ、ピカソ、カザルスら多くの芸術家を育んだバルセロナ。地中海貿易で繁栄したこの都市は、一六世紀以降、マドリッドの中央政府から抑圧を受ける。だが一九世紀、産業が発展、セルダによる大胆な都市計画のもと独自の文化が開花し、カタルニアの中心地として独立を志向していく。本書は、スペイン国家の中で、王制、内戦、フランコ独裁を経ながら、芸術・文化・スポーツを育み、新しい「かたち」を模索する都市を描く。
目次
第1章 地中海交易都市の盛衰-囲壁拡張の歴史
第2章 一九世紀に開花した文化芸術都市-セルダ、ガウディ、そしてピカソ
第3章 待望の自治からフランコの圧政へ-共和国成立、スペイン内戦、そして独裁
第4章 経済成長下の乱開発から都市再生へ-一九五〇年代?八〇年代
第5章 地中海オリンピック・シティ-FCバルセロナと一九九二年五輪
第6章 「地中海圏の首都」へ-二一世紀、グローカルな文化戦略
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sagatak
9
主に都市計画の観点から見たバルセロナの歴史本といったところか。巻頭のまとめの地図とセルダの計画の地図が本書のすべてを物語る。バルセロナの成り立ちをうまく説明してあり一気にバルセロナの作りが解ったような気になった。著者のバルセロナ愛が強くて少し鼻に付く部分もあったがそれを差し引いてもバルセロナを訪れる人は読む価値あり。私が訪れたのは1980年代前半、その後もどんどん変化したのだと驚いた。また行くのが楽しみ。最後に紹介されていた「サヨナラ・バルセロナ」これは読みたいがカタロニア語しかないらしい。2017/02/03
Acha
6
その響きが圧倒的に美しい町。日頃は雰囲気重視でウディ・アレンの映画でも観るところだが、今回は町の成り立ちをきちんと学びたくて読んでみた。読み物として読みやすいかといえばまあ微妙だが、現地の方のまちへの誇りや想いにも前知識を得られてよかった。ただ都市計画なりハード面を頭に入れるにはもう少し全体が見やすい、精度の高い地図が欲しかったが、手書きチックな絵図であった。これが新書の味というものか…。カタルニアの町壁は消えたが、新書の壁はまだ厚い。2016/01/17
Shun
4
ここまで多様な人々を巻き込んで都市が創られてきたバルセロナ。ますます行ってみたくなった。国ではなく、「都市からなる欧州」を提唱しているのが興味深かった。バスコやカタルーニャのみならず、ウェールズ、スコット、アルザス・ローレンヌなど独特の文化を誇りに思っている地方が多いし、共感を集められるのだろうか。2016/12/26
安達義通
3
バルセロナを、「都市」あるいは「都市計画」という視点を軸としながらも、文化・芸術、政治、経済など、様々な領域を視野に入れながら、包括的に論じた「バルセロナ入門」。「歴史」、特に、その時々の政治・経済的な文脈のなかで、「都市空間」の変化を記述しており、現在のバルセロナが形成された経緯を歴史的な重層性のなかで理解することができる大変便利な本。この本を読んでから、バルセロナのまちを歩くと、そこに、それが、そのような形で、存在している理由を理解することが容易になるだろう。大変勉強になる一冊。2015/07/20
ラムラム
3
都市計画というものに初めて触れた。生活環境やインフラに関わる都市問題、世界の中のバルセロナという都市という視点から目指す都市のビジョン、そういった多様な要請をすべて考慮して、都市計画というものが行われていく。しかも何十年という時間をかけて。インフラ、観光、公共の場というハード面だけでなく、公共サービスの担い手、土地の所有制度など、ソフトについても都市計画では考えなくてはならない。全く知らない分野の本だったので視野が開けた感覚。2012/02/09
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