内容説明
新たな時代に生まれ変わろうとする幕末期、土佐の郷士として生まれた岡田以蔵。武市半平太を師と仰ぎ、武市と土佐勤王党の目指す新時代のため「人斬り」となるも二十八歳で斬首された以蔵。本書では残されたわずかな史資料を丁寧に追い、青年の真実に迫る。
目次
第1章 以蔵という男(以蔵誕生;岡田家足軽説 ほか)
第2章 土佐勤王党(土佐勤王党結成;結成日の謎 ほか)
第3章 「人斬り」以蔵(参勤交代;麻疹の流行 ほか)
第4章 以蔵と龍馬(江戸到着;坂本龍馬との再会 ほか)
第5章 以蔵の最期(山内容堂;山内容堂と土佐勤王党 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつきネコ@成長した化け猫 久びさの成長
7
司馬さんの足軽出身と毒殺失敗がなく、先祖が部下の縁で我流の後に武市の道場に通う話が創作。わかるのは剣が強く影が薄い出っ歯の男性としかわからない。しかし、殺しの残虐なさらしかたはやはり残忍さはあったんだろう。海舟の護衛もよくわからない。河上玄彦にもにた話があった気がする。物証として勝からもらった銃があるしな。しかし、ジョン万護衛の話は護衛なれしているカッコよさがある。しかし、この話も慶応末だからないんだよな。以蔵の最大の謎は脱藩から捕まる一年間。なぜ、京にいたのか、仲間の手引きで逃げたと思う。 2018/08/10
さくら餅
6
残虐な逸話ばかり伝わっているが、想像の彼とは違う爽やかな辞世の句に惹かれ気になる人物でした。読んでみると私が知っている史実は勘違いだらけだったと反省。身分は足軽だと思っていたし服毒もされているものだとばかり思っていた。残された資料がとても少ない人物なので彼の人となりが全くわからないのが残念だが彼を少しでも知れて嬉しかった。ただ以蔵のピストルが掲載されていないのと、以蔵が拷問されたことが書かれている武市の手紙が残っていたはずなので調べが足りない気がする。ジョン万次郎の逸話は格好いいのにガセなようで残念。2018/08/01
さとう
2
以蔵の史料がもともと少ないので、時事ニュースと武市先生についても割と知れる一冊。史料原文ママの後に噛み砕いて説明してくれることが多く、目が滑りにくい。小説では端折られる剣術修行道中や、江戸・大阪・京都での足取りも追うことができて助かりました。しかし、獄中で武市先生をはじめ党員からの死を切望されてるのはさすがに苦笑いです。わかってはいるんだけど。 2022/05/26