内容説明
新人刑事の佐原夏輝がはじめての現場でコンビを組まされたのは、ベテラン刑事で、少年時代に別離した実の父親・島村明村。ある日、捜査一課の係長が何者かに殺害された。捜査本部は内部の犯行を疑い、その矛先は明村にも向かう。夏輝は単独で事件の核心に迫ろうとするが……。個性豊かな刑事たちが犯人を追い、幾重にも絡み合った因縁が読者を欺く傑作長編ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
139
警察小説、家族小説という形式の予定調和を裏切る滑稽な父親が魅力的だった。事件も解決するまで、伏線も緻密。サクサクと読みやすいのも良かった。親子での捜査は、序盤にしかないので、刑事の親子が捜査する小説かな、と思っていたのも裏切られた。良い意味で、裏切る推理小説だった。そんなに嫌いじゃない。2014/03/06
gonta19
137
2010/8/8 Amazonより届く。 2020/1/19〜1/22 2年ぶりの雫井作品。 今回はこれまでの作品とは異なり、コメディータッチの刑事物。新人刑事の佐原夏輝。自分たちを置き去りにして離婚した父親、捜査一課の刑事である島尾明村といきなりコンビを組ませる。この親父さんがなかなかのキャラクター。お気楽コメディーと思わせつつ、中身は結構本格派。この親子の続編が読みたいが、あるんだろうか。2020/01/22
🐾Yoko Omoto🐾
129
重すぎず軽すぎず、ユーモラスとシリアスのバランスが良い軽快な警察ミステリ。新米刑事「佐原夏輝」と実の父で捜一の刑事「島尾明村」。二人の微妙な関係性をコミカルに描きつつ、ある未解決事件が元で情報屋・現職刑事・容疑者が次々と殺害され内部に裏切り者が?という推理ものとしての伏線も贅沢に織り込まれており読みごたえあり。「明村」の個性的なキャラと、キーマンとなる情報屋の存在がかなり面白い。全体の流れとしてはお約束な感じもするが、「クスッ」と「ホロッ」の加減が良い読後感に繋がる良作。情報屋「相星」が抜群に良かった。2014/03/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
95
オチもしっかり決まって面白かった。あやしげだった相星や明村がいい味出していた。2014/06/17
大地
89
初の雫井作品。ドラマが面白かったので、原作もと思い読みました。ドラマとは少し違う内容でしたが、それぞれのキャラがたっていて、あっという間に読み終わりました。ドラマ同様親子のやりとりが面白かったです!!是非続編が読みたいです。2015/03/28