内容説明
グローバリズムと近代主義の果てに規範も基盤も失ってしまった現代。ニヒリズムが深く浸潤するなか、われわれは、どこに拠って立つのか。「戦後なるもの」の空虚を越え、持つべき思想と国家の基軸を問う。
目次
岐路に立つ日本
第1部 「経済危機」から何を学ぶのか(「現代の危機」の本質 金融危機の深層―ポスト・アメリカニズムの世界 マルクスは甦るのか? グローバル史本手技の帰結 「脱成長経済」への道)
第2部 陥没する日本政治(「国民のための政治」という幻想 「無・意味化」する民主主義 保守政治の崩壊から再生へ 今、保守は何を考えるべきなのか―保守の精神と日米同盟)
第3部 日本という「価値」へ(「偽の国」から「義の国」へ 「アジア的価値」は存在するか 近代主義の堕落と「魂の復興」 空洞の「戦後」と歴史観の不在 「ニヒリズム:という病に覆われる世界)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒頭巾ちゃん
7
改めて日本の「価値」を見出そうとする内容です。戦後のアメリカからの「合理主義、自由主義」に翻弄されて、今があります。そして、戦後のアメリカは、「脱工業化→金融化」により、世界を席巻しました。しかし、その虚構の金融産業もリーマンショックによって破たんします。当然そのあおりも日本へ来ます。第2次大戦は、「領土の奪い合い」そして今は「金の奪い合い」。次のステージへの価値観を改めて問う素晴らしい内容です2012/10/24
NBK
3
2010年までに発表された論文集だが、その後のTPP加盟の是非の論争以降、顕著になった我が国の「保守」の分裂を見事に言い当てていると言える。「民主政治は、それが進展すればするほど大衆化し、その結果、民主的意思決定をますます困難にする。市場競争体制は、それが進展すればするほど、社会的な基盤を掘り崩して市場システムそれ自体を不安定化する。」日本はどのような国を目指すべきなのかを考えてみたい人にオススメ。2012/01/29
がっち
2
かなり良い本。今の現在の日本のあり方を問う。日本と言う価値はどこにあるのか。グローバル化、グローバル化という話の中で、改めて日本の価値を発見、気づくことは大事なことであろう。昨今グローバル化しすぎて市場の波及や国際問題の並が全世界にいきわたるものとなっている。tpp後の日本はどのような価値を見いだせるのか、それを知る本だ。2013/05/18
ポルポ・ウィズ・バナナ
2
もともと平和主義を理想としていたはずの左翼も「押し付け憲法だったかもしれないが、そのおかげで平和を実現できたのだからよいではないか」といい、保守も同様「押し付け憲法であってもそのもとでこれだけ経済発展できたのだからよいではないか」という。共に、憲法にまつわる「義」を失って「利」を取ることになったのである――問題はそもそも【様々なアホな事件】が良いことか悪いことか、適切か不適切か、恥ずべきことかそうではないのかを論じ評価するすべを失ってしまった点にある――2012/07/02
naokovski
1
過去10年ほどの論考を集めた論文集。リーマンショックや911以前から一貫した主張を重ねているのがやっぱりすごい。2010/11/15
-
- 電子書籍
- 超時空求愛エグゾマン(2)
-
- 電子書籍
- 怪談実話 無惨百物語 はなさない 分冊…