内容説明
「文化」は「政治」を超えられるか。
「近くて遠い国」と形容されてきた日本と韓国に今、変化が起きている。
その契機となったのは日本における「韓流」、そして意外に知られていない、韓国での「日流」現象である。
「政治」が果たせなかった役割を、「文化」は担えるのか?
相互作用として生まれた二つの文化現象の実態を解明することで、両国間に立ちはだかる問題の所在を明らかにし、来るべき「日韓新時代」の可能性について考える。
日韓のはざまで「境界人」として生きる著者の清新な一書。
目次
第1部 「韓流」その後(「革命」としての韓流 日韓関係の推移と韓流の発展過程―進化する韓流 韓流はなぜ起きたのか?―韓流の魅力と韓国のソフトパワー 韓国時代劇ブームから読み解く「韓流」)
第2部 「日流」―韓国における「日本文化」(「解放後」韓国における日本文化―規制と憧憬のアンビバレンス 「文化開放」と日本のポップカルチャー 日本文学ブームから読み解く「日流」)
エピローグ 文化交通からみる「日韓新時代」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
38
文化論業界は玉石混淆の世界。目から鱗の名著もあれば、自文化を基準とした異文化批判及び過剰一般化、文明と文化の同一視等トンデモ系も多い。旅人の呟きならそれも見聞だが、肩書きが立派なだけにたちが悪い。さて、本書は間違いなく“玉”の方である。受け手の立場から見ると、韓国人である著者の語る韓流現象は些か身贔屓な感なきにしもあらずだが、『第Ⅱ部1章の韓国における日本文化』は境界人を自任する著者だからこそ書ける内容。日韓の現状は必ずしも著者の望むようにはなっていないが、歴史は行きつ戻りつ進むもの。明日に希望!要再読。2012/09/29
mamib
5
今まで読んだ現代日韓関係に関する幅広い本の中でも、1番読みやすく理解しやすいとても良い本だった。特に日本における「韓流」がどのようにとらえられているかを、韓国人著者の日本での体験をもとに綴られているところに、1番の説得力があり、「韓流」を学びたい現代人にとってはナイスな本になったと思う。「キムチ」などの例をとって、日本にとっての「韓国」の存在の大変化がよくわかる。韓流を台風の目に例えるところや、「韓流」がまさに日韓関係の「血を流さない革命」であったと説明するところに新しさがある。すらっと読める面白い本。2012/01/30
茶幸才斎
4
数年前に韓国人技術者と仕事をした。彼らは、腕は確かだし人間的にも魅力的で物腰が自信に満ちていた。かつてのIMFショックを乗り切りIT先進国にまでなったのが、妙な国家的躁状態を醸成し、日本への対し方にもゆとりが出てきたのかな、と勝手に解釈したのだが、それは本質的理解ではなかったようだ。本書は、日本の韓流現象と韓国の日流現象を詳細に考察した本で、とにかく面白かった。日韓新時代は今なお模索しつつ進行中なので、多分(いい意味で)今読むからこそ面白い本だし、今だからこそ筆者が抱く万感の思いに、我々もまた共感できる。2010/11/10
ガハハ
4
韓国併合から100年、色々な問題もありますが、これからは、近くて遠い隣国ではなく、 新時代に向かっていってほしいです! 日本の小説が凄い人気のようで、村上春樹、奥田英朗、などなど 読まれているのは嬉しいです^0^ 韓国ドラマ大好きな私ですが 著者がうまい事書いてますよ! 日韓関係自体が、壮大なスケールのドラマなのかもしれない。 ドラマは、まだ 始まったばかりだ。 2010/09/02
kozawa
2
1970年生まれで、日本に若い頃含め滞在経験も長く両国をよく知る若手の見た韓流と韓国における日本文化。リアルタイムで見てきているだけに読んでいて色々腑に落ちる。しかし、やはり彼は韓国人、自国文化への誇りあるね。しかし残念ながら主観的意見について本書の中に裏付けはあまりないので本書をそのまま受け売りしても多分いいことはない2011/02/28
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