内容説明
「何で日の丸を降ろすんだろう」――昭和二十年八月十三日、朝鮮の港町・仁川に住む七歳の著者は不思議な光景を目にする。それは、当たり前の生活と秩序が崩れ去る前触れだった。玉音放送の後、優しかった現地の青年は豹変して「この家の物はオレのもの」と凄んだ。隣組では、上陸した米兵に「慰安婦」を差し出す相談が持ち上がった。仁川神社の宮司は行方不明に……小さな目と耳が捉えていた、敗戦下の貴重な記録。
目次
第1章 なぜ日の丸を降ろすんだろう
第2章 仁川の港は世界一
第3章 玉音放送は分からなかった
第4章 うちの母さんが慰安婦に?
第5章 朝鮮人には、本当の名前があった
第6章 「公設慰安所」がお向かいにできた
第7章 柳君がくれた大きな朝鮮餅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
15
終戦時の朝鮮(仁川)の様子を、小学一年生であった著者が見聞きした事を思い出して書き記したもの。もう60年以上も昔の話...良く覚えているものだという気もするし、絶対に忘れられないんだろうなぁという気もします。。。2013/12/16
印度 洋一郎
3
日本の敗戦前後の二ヶ月間、日本統治下の朝鮮の港町仁川で暮らしていた当時小学一年生の少年が見た、「大日本帝国の終焉」。小1にしては、随分難しいことを考えたり、話したりしているが、後に振り返ってみて、再構成したということか。作者自身は比較的平穏に過ごせたようだが、両親を殺されて平壌から逃げて来た幼い姉弟の壮絶な逃避行や、目の前での上級生の女の子がアメリカ兵に襲われるショッキングなエピソードも。上陸する米軍を見物に行って、朝鮮の古老から日露戦争の海戦の話を聞かされるくだりは印象的だけど、出来過ぎの感も。2010/10/26
mytee
2
六歳の少年の朝鮮での敗戦前後の記録。大人になってから書かれた物なので、六歳でそんなこと考えないだろ!というツッコミどころは満載。しかし、敗戦下の貴重な記録であることに間違いはない。北朝鮮から両親を目の前で殺され逃げてきた幼い姉弟。米兵に乱暴された四年生の少女。小使をしていた朝鮮人の態度の豹変ぶり。敗戦直前に出会った慰安婦との会話など。戦争はしてはならないということ、また韓国、北朝鮮とは係わってはならないということを感じました。2012/06/20




