文春文庫<br> 最後の一球

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文春文庫
最後の一球

  • 著者名:島田荘司
  • 価格 ¥600(本体¥546)
  • 文藝春秋(2014/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167480073

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内容説明

自殺未遂をした母親の動機が知りたい--。青年の依頼に、いつになく渋面を浮かべる御手洗潔。やがて原因は悪徳金融業者からの巨額の借金であることが判明し、さすがの御手洗も打つ手がない。だが、奇跡が起った。突然の火事により、債務者を苦しめる書類が灰になったのだ。やがて御手洗は、この奇跡が、偉大な才能を持った1人のスラッガーと、あえなくプロ野球をクビになった凡庸なピッチャーとの友情の賜物だったことを知る。御手洗シリーズ中出色の異色&感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中原れい

78
屋上で半焼けのボールを見たときミタライにはすべてが分かったのよね、と珍しくわかってしまった。依頼人の美容師は後ろに飛び去り後半の男の手記で仔細がわかるスタイルにより、何人もの人生が浮かんでくるのが読み物として素晴らしい。2番手でも二流でも構わないから笑われても真っ当に生きること、そんなメッセージが深く心に刻まれる1冊。2020/03/05

chiru

75
先日読んだ東野さんの『魔球』の余韻がまだあって、たまたま、図書館で見つけた野球の表紙に、嬉しくなり手にとりました。 序盤のエピソードが火事騒ぎに関係するのはわかるけど、野球にどう繋がるんだろう。 御手洗さんの言う『奇跡』って? ここまででページ1/4で、ここからはプロ野球選手を目指す一人の少年の手記になります。 二人の少年がお互いを尊敬して育んだ友情。 それに応えるべく野球人生をかけて『最後の一球』を放った投手。 二人の友情に感動しました。 ★5  2018/02/02

Tetchy

47
ミステリとしてその出来映えについてはやはり首を傾げざるを得ない。御手洗が登場するのは全277ページの物語のうち、たった76ページぐらいで、その後はある野球選手の半生と事件に至るまでの経緯が手記の形で語られる。したがって御手洗の推理らしきものはほとんどない。まあ、確かに御手洗は超人型探偵で事件に遭遇しただけで全て見極めてしまうのだが。しかしそんな構成上の不満はあるものの、はっきり云ってオーソドックスな浪花節以外何ものでもないが、やはり島田のストーリーテラーぶりは素晴らしい物がある。2010/08/28

やっちゃん

43
サクサク解決するから短編集かと思いきや残りのページは島田荘司のまさかのスポ根!これが良かった。ありがちな話だったけどいつもの壮大なプロットと比べてとっつきやすかった。プロの厳しさを体感した。昔は浜商強かったよな、御手洗の野球やる姿も見たかったぜ。2023/04/13

みっぴー

39
人生の教訓がみっちり詰まった、島田流のメッセージ。情熱を注げるものがあって、プロになりたいと思うのはごく自然な流れですが、果たしてプロになるのが本当に幸せなことでしょうか?夢を諦めた人間だけが見ることのできる世界や理解できる感情もあると思うのです。本書は野球に全てを捧げて生きてきた男の青春ストーリープラスほんの少しミステリ(笑)人生の厳しさをしっかり堪能したい方にお薦めです。2015/11/21

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