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内容説明
20世紀初頭の郵便飛行に携わる者は、「自分達が歴史を作る」という信念と誇りを持っていた! 南米大陸で、夜間郵便飛行という新事業に挑んだ男たち。ある夜、パタゴニア便を激しい嵐が襲う。生死の狭間で懸命に飛び続けるパイロットと、地上で司令に当たる冷徹にして不屈の社長の運命は――命を賭して任務を遂行しようとする者の孤高の姿と美しい風景を、自身も飛行士だった作家が詩情豊かに描く航空小説の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
228
サンテグジュペリは、「星の王子様」をその昔読んだ。しかも2度。けどつまらなかった。ほんの子供だったせいかもね。本作もやはり、その昔読んだ。しかし記憶の中では多分「翼よ、あれがパリの灯だ」とゴッチャになってて。こんな話だったのか、と今回改めて驚いた。航空便の黎明期、ろくな装備もない複葉機での夜間飛行。悪天候、視界ゼロ、交信不能の中必死に飛んでる若きパイロットと彼を待つ妻、彼の到着を待つ航空便社長の苦悩。わずか120ページあまりの本だけど描かれている世界は大変濃密だった。人間ドラマとして素晴らしかった。2025/04/11
アキ
128
1930年当時の夜間郵便機は2人乗りの小型機で墜落や不時着、行方不明が頻繁にみられた。パイロットと無線通信士は筆談で会話し、嵐に会うと無線が使えず高度もわからない闇の中に陥る。まるで生死のはざまの異界にたどり着いてしまったように。地上では社長がミスを理由に解雇をする無慈悲な判断と安全の確保に温情が命取りになる矛盾に心の葛藤を吐露する。中盤から嵐に見舞われた郵便機の状況と地上の様子がハラハラさせられ一気に読んだ。著者の実体験が反映されているだけでなく、小説の後半にかけて時間の流れが徐々に早くなる展開が見事。2023/01/15
ナマアタタカイカタタタキキ
117
すごい!!!夢中で読んでしまった。何故こんな名作を今まで手に取らなかったのか。──仕事に命を懸ける者達の、使命感、誇り、孤高。そして夜の自然の広大さ、美しさ、激しさ、恐ろしさ。それらが洗練された流麗な言葉のみで描かれている。さながら星空のようである。決して多くは語らない、ややもすると内向的ともとれるその控え目な文章に、生身の苦悩や、死の恐ろしさ、眩しいほどの希望、切実な愛と、込められた数多の激しい想いに胸を打たれる。特にパタゴニア便が雲海上空に抜けた時の描写には、言葉を失う。私にとって大切な一冊となった。2020/04/25
takaichiro
114
圧倒的な透明感に感服^_^大空を自由に飛ぶシーンやその時の感覚を描いた文章は珍しくない。作者自身がパイロットだからか、そもそも言葉の術が抜群なのか!訳者の技量も相まって、ホントに美しい世界に没入。美術館のメインフロアに鎮座する名画の前に立ち何とも言えないオーラに包まれたような脳の反応^_^小説は芸術のひとつなんだと改めて思えた。中学生の時に手にした星の王子様は、私の本棚に長く住み続け、偶に挨拶したくなる。透明感のある空間に飛ぶスイッチが欲しくて、王子様の横にこの本を置いてみた。背表紙を眺め、目を瞑る^_^2019/06/27
けいご
98
もし上司に「真っ暗闇の中をコンパスだけ持って飛行機で荷物運んでこいっ!」言われたら皆さんならどう思いますか?もう恐怖とかそういう問題を超えてるよね。当時の飛行士には夜空から見える安全な地表の灯火は空に恐怖が潜んでいるが故に暖かく目に映らざるおえなかったんだと思いました。命を落とす危険をわかっていながらも挑戦し続ける彼らを突き動かしているものは一体何なのか?「人間は表面的な幼い勝ち負けを超えた遥かな目標をもてる」という思いが凝縮されている一冊でした★2021/01/16
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