内容説明
大学を含む教育費と住宅の費用を個人が負担するという考え方は、世界的にみれば必ずしも当たり前のことではない。無料高等教育や手厚い住宅手当など、日本では当然「市場財」と思われるものが「公共財」として機能しているのがヨーロッパ型の資本主義である。アメリカ型、ヨーロッパ型、2つの資本主義の歴史と現状を検証しながら、多くの日本人が幸せになれるような資本主義の姿を追う。
目次
第1章 いろいろな資本主義
第2章 アメリカ型「自己責任」
第3章 資本主義世界の転換
第4章 市場と政府
第5章 「自己責任」から「社会責任」へ
第6章 人間のための資本主義
終章 「自己責任」を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
田舎暮らしの渡り鳥
7
ドイツの資本主義をアメリカと対置させ、新自由主義や教育の崩壊、自己責任論の批判を展開する。妥当な線だろう。ドイツ、スウェーデン、フランスを社会モデルとして興味を持っていたが、そのうちドイツのライン資本主義に触れられたことが意義であった。アダム・スミスは人間の幸福とは「健康で、債務がなく、良心にやましいところがない」ことを指したという。「市場」と「社会」が分裂する資本主義において「良心にやましい」ところはなくとも「良心に則った」労働を手に入れることは制度的に矛盾につきあたる。2019/10/20
しんしん
3
自己責任を超えて社会責任を手厚くしていこうという主張の本。 自分には個人が起業して会社と仕事を作っていくイメージが強いが、社会に仕事を作って雇用を生み出す役割を求めている感じがした。 そこのところの社会モデルをもうすこしつっこんで解説してほしかった。2016/06/13
Miki
0
自己責任VS.社会責任。今の格差社会日本においてとりわけ目を引く問題について、ジョン・ロックからアダム・スミス、ケインズからフリードマンまで様々な主張をわかりやすく盛り込みつつ、色々な示唆を与えてくれた。人類が歴史の中で築き上げてきた、社会保障や団結権など社会的資本主義のしくみが、グローバリズムやアベノミクスやトランプ政権の下、危機に瀕している。この本が書かれたのは2010年だが、この本で憂慮されている事態が、さらに加速的に日本や世界で起き続けていることを、筆者は今どう思っているか聞きたい。2018/02/15
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