内容説明
ジュネーヴ大学就任講演、形態論、「書物」の草稿、ホイットニー追悼などソシュールの重要なテクストを訳出し、それに対する繊細かつ本質的なノートを付す。その往還自体がひとつのテクストとなって、本書でわれわれは、いつしかソシュールの思想の生の姿に立ち会うこととなる。あえて俗流解釈を排し、言語=ラングそのものを問い続けた記念碑的力作。(講談社学術文庫)
目次
「学術文庫」版へのはしがき
プロローグ
ジュネーヴ大学就任講演 I
ジュネーヴ大学就任講演 II
ジュネーヴ大学就任講演 III
形態論
「書物」の草稿 I
「書物」の草稿 II
ホイットニー追悼
断章
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
3
本書を読んで丸山圭三郎その他の解説書を通じて得たソシュール像が一変した。しかも、著者の恩師が外ならぬその丸山だということを後書きで知って更にびっくり。とはいえ、本書の理解は甚だあやふやなのだが、ソシュールの思想が非常な危うさを孕んだものであること、そしてその危うさは言語、及び言語学そのものが孕む危うさと深く関わっているということは理解できたように思う。そして二十数年前に書かれた本書が、その後のソシュール研究が大きく進歩した今でもその価値を失っていないという事実に驚かされる。またいずれじっくり読み返したい。2013/11/23