内容説明
悲しいのに笑い、泣きながら踊ったベネズエラの日々――ベネズエラ人彫刻家の夫、その家族、激動する南米の政治と文化の違いに翻弄された日々。そして……。ベネズエラの庶民を迫力あるエピソードで描いた、楽しくてちょっぴり悲しい物語。(以下、解説より)陽気な音楽とともに歌い踊るラテンアメリカの人びとは、このような社会を生きているのである。忘我のダンスの胸中には、絶望と紙一重の思いが秘められているのかもしれない。あえて断言するなら、ラテンアメリカの人びとは「陽気で、明るい」のではない。彼ら・彼女らは、「陽気に、明るく」生きているのだ。その陽気さも明るさも、悲しみや苦しみと表裏一体なのである。苦境のどん底にあっても踊り明かして鬱憤を晴らし、家族の失態をジョークのネタにして解毒し、自分の不遇を笑い飛ばして明日の活力を生み出す……そうした人びとの姿を活写した本書は、ラテンアメリカの文化・社会・政治に関する出色のエスノグラフィ(民族誌)にもなっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シノウ
2
ベネズエラに嫁いだ著者の自叙伝。過度な2大政党体制という、大統領が変われば全ての公務員が入れ替わる政治の流れに翻弄されながらたくましく生きていったベネズエラでの日々が描かれている。 夫、フリオやその家族。ベネズエラの文化。断絶されているといってもいいほどの格差を孕みながらベネズエラの人々は明るく楽しく生きようとしている。 激しい感情をぶつけ合ったり何事もなかったように寄り添ったり、そういった刹那的な生き方の根底にはベネズエラ社会が抱える問題が隠れているのだとも思う。2019/09/07
itotto
0
以前、ベネズエラに住んでいたこともあって、気になっていた本。図書館で借りて読む。一応、土地勘があるので、スムーズに読むことができた。バリオの中の話や田舎の雰囲気はなどは興味深かった。南米でも、ユニークな文化であるベネズエラを知るには凄く使える本。なぜチャベス政権が支持されているのかについても、これを読むと理解が深まると思う。南米に関心の無い人には理解しにくい、読みにくいところもあるかも。ほんとにドラマチックで楽しく読まさせて頂きました。2013/04/14
鞄人
0
ベネズエラってこんな国、ベネズエラの人ってこんな人、べねずえらの暮らしってこんな暮らし、そんなベネズエラが満載の本です。でも、30年前に日本人が結婚を機に一人で向かうなんて、ホント勇気がいることだと感心しました。そして色々な経験を経てたくましく現在に至る著者の生き方こそ、ベネスエラ人のようなたくましさを感じずにはいられません。2010/06/28
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