内容説明
会社を辞めて小説家として新たな人生に踏み出した夫の一日を見つめる妻の視線。(「ひらひら」)ある男の浮気調査を依頼された探偵は、尾行の途中、3年間会っていない自分の娘を目撃する。まさか浮気相手は我が子なのか!?(表題作) 他に、ベストセラー『夜の果てまで』の原型となった短編「泣くかもしれない」や、16歳で執筆された幻の処女作を含む珠玉の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaichiro
116
盛田さん2冊目。短編集。様々なテーマを編んだ本作を読むコツ。最初にあとがきに目を通すこと。作品群の背景が書かれている。読んでおかないと迷子になる。16歳の夏、バタイユの「青空」を読み触発されて書いた「糠星」。「エーテル密造計画」は作家転身後の一年間に見た夢の断章を繋ぐ。うつらうつらしながら頭に浮かんだイメージを脈絡なくメモに書き残したらこんな感じになるだろう。「折り紙のように」は10ページ足らずの作品でありながら深めの掘り下げ。長編で読みたい。「我々の美しい妻」ライトな官能小説。ふ〜っ、迷子にならず読了!2020/02/04
choco
35
なんだなんだ⁇ この本。7つの短編集だが、どれも繋がりがなく一部は官能小説。最後あとがきを読みなんとなく腑におちる。盛田さんの執筆期間37年分をまとめた一冊らしい。しかし「エーテル密造計画」は読むのに一苦労した。この量の一冊をこれだけ時間かけて読んだのは初めて。つまり、退屈…2015/07/09
スナフキン
8
著者が16歳の時に書かれた処女作「糠星」や名作『夜の果てまで』の原型となった「泣くかもしれない」など、7つの短篇が収められている。書かれた年代がそれぞれ大きく異なるので、作風もそれぞれ異なる。中でも「エーテル密造計画」はこれまで読んできたどの盛田作品とも異質で、どう解釈したらいいのか分からないまま読み進めたが、巻末で作者自ら種明かしをしている。個人的には「我々の美しい妻」が一番好き。その次に「糠星」、そして、「折り紙のように」か。盛田文学の豊穣さが詰まった贅沢な一冊であった。2020/04/26
洋平
5
面白かった『夜の果てまで』の原型『泣くかもしれない』が読んでみたくて。読んでみると、原型というより『夜の果てまで』の一部分そのままで吃驚。これだけだと良さが伝わらずお勧めはできないけど、短い分メッセージは見え易かった。「おやじを捨てたおふくろも、捨てられてアル中になった親父も…死ぬときはみんな一人だろ。やりたいことやって一人で死んでいくんだ」でもやりたいことやりゃどこかに傷ついてる別の人もいる。大学生と不倫された挙句、妊娠六ヶ月の母に会ったときに父が味わった思いなんて、自分も想像できないし、したくもない。2012/06/15
asa
1
市図書館本。カバーデザイン・高(はしご)林昭太。カバー写真・Mitsuru Yamaguchi。『暗闇のもっとも濃いときが、暁の始まるときなんだ。(p229)』。短編7編。『エーテル密造計画』のよくわからない展開に夢の話みたいと思っていたら、あとがきに夢の断章とあって納得。変な夢の話ってあまり面白くないから、それを作品にしちゃうとは…。途中読んでて挫折しそうになった。2017/11/08
-
- 電子書籍
- EXCEL SAGA EX(エクセルサ…
-
- 電子書籍
- 鬼一族の若夫婦 (2) ~借金のカタと…
-
- 電子書籍
- 非常のヒナ 5話 ebookjapan…
-
- 電子書籍
- 火の国の女の日記(上) 講談社文庫
-
- 電子書籍
- FLY(1)