ちくま新書<br> 成熟日本への進路 ――「成長論」から「分配論」へ

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ちくま新書
成熟日本への進路 ――「成長論」から「分配論」へ

  • 著者名:波頭亮【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2014/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480065568

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内容説明

日本はこれからどの方向に進んでいくのか。政治は迷走し、国民は困惑している。既に成熟フェーズに入った日本は必然的に国家ヴィジョンを差し替えなければならない。そして、経済政策や政治の仕組みを再構築しなければ、社会は一層暗く沈滞していくだけである。国民が「自分は幸せだ」と思える社会の姿と、そうした社会を目指す政策、およびその政策を実行するための戦略と新しい社会のしくみを明快に示す。

目次

1 二一世紀日本の国家ヴィジョン(国家ヴィジョンの不在 日本が成熟フェーズに入ったことの意味 新しい国家ヴィジョン―国民の誰もが医・食・住を保障される国づくり)
2 経済政策の転換(成長戦略は要らない 成長論から分配論へ 産業構造をシフトする二つのテーマ この国のかたち:社会保障と市場メカニズムの両立)
3 しくみの改革(行政主導政治のしくみ 官僚機構を構築している四つのファクター 官僚機構の改革戦略 国民が変わらなければならないこと)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

95
今日、菅さんが民主党の代表に選出された。民主党は、この本の成熟フェーズの日本を目指したのでは、なかったのか。『「医・食・住」を保障される国家』は、豊かな社会として当り前の目標。でも、現実は格差社会。私の事務所には、毎日のように貸付の相談がある。一度、本気で「ベーシックインカム」について議論して欲しいと思う。末は博士か大臣かと夢を語った時代から、是非、上級公務員へと指向が変るのも、官僚のベストアンドブライテスト集団に惹かれるということか。変化の排除と自己増殖する機構も、貧しきときには、真に日本を憂えていた。2010/09/14

こも 零細企業営業

19
2014年の本だったが、日本の問題点は全く変わってない。相変わらず成長を戦略の主眼に置いてる。成熟して来てるのに、方向転換が上手く行ってない。成長から分配へ行かないといけないらしいが、社会保障が上手く機能しておらず生活保護の捕捉率が低いのも問題になっている。そういった生活に不安のある人達の不安を取り除かないといけないのに、国の体制は相変わらず成長を主眼に置いてるから取りこぼす。ますます人々は不安に思うのだが、生活保護を受けるべきだと思える人が少ないらしい。恥ずべき行為で浅ましいと考えてる人が多いらしい。2022/03/01

nutts

6
本書の正しい使い方。①年内に読み切る。②元旦の新聞で、中長期の展望に関する特集記事と読み比べる。③自分なりの仮説を立て、自社の中期経営計画を批判的に考察する。特に、丁寧に展開されるFact分析は、批判的に読むことによって、著者が持つ覚悟の水準の高さがよく分かる。手法と志の両方を考えさせられ、かつ、実行に移す上での問題点を深堀するきっかけにできる。良いテキストだと思う。2010/12/21

ophiuchi

5
経済成長幻想から脱却できずに迷走している日本の政治に違和感を抱いていた私に一つの解答を与えてくれた本でした。この内容に反発する向きも少なくないでしょうが、妥当性の高い提言だと思いました。書評に取り上げられていないようなのは、マスコミ批判が的を射ているせいでしょうか?2010/12/01

crecsent

5
とても頭の切れる方だ。東大出ということで、周りには官僚になった方も沢山いると思うが、その頭の良さ・凄さと怖さを改めて実感させてくれた。本書全体としてのテーマも非常に興味深かった。国民は分かっている!のあたりはちょっと疑問だけれど。メディアも叩くのではなく、メディア本来のあるべき姿になるよう促している。2010/08/26

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