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内容説明
耕作放棄地が農地の10%に及び、土地持ち非農家は120万戸とも言われ、農地の荒廃が進んでいる。なぜ農地は無秩序化してしまったのか? その要因を歴史的に検証するとともに、農地問題がいかに農業全体の非生産性に結びつくかを解説。その上で、市民参加型の土地利用を軸にした大胆な構想を提示する。日本農業への緊急提言の書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yearning for peace
4
4年前に読んだ『日本の食と農』を読んだ衝撃は今も残っている。久々に刊行された神門氏の本書を読んでいると、農地転用の問題は改善されるどころか、むしろエスカレートしており、病巣は悪化の一途をたどっているようだ。マスコミがほとんど取り上げていないこの事実は、どういうことなのだろうか。時間はかかるものの、今ここで体制を立て直さないと、第1次から第3次までの産業が世界に取り残されていくような気がしている。産官民による劇的な転換を渇望する。2010/06/15
サカモトマコト(きょろちゃん)
2
日本農業の問題点を指摘している本。 農地の転用がいかに問題なのかがよくわかりました。2017/05/04
algae
2
日本の農業の問題は農業就業者の高齢化だー、なんてよく聞くけど、それは何十年も前から言われていたことだし、むしろ農地転用や法令面といった本質的な問題から目を逸らすためのスケープゴートというふうに感じられる。それに、半世紀以上も前に作られた「コシヒカリ」がいまだありがたがられているのもおかしな話だ。保護政策により、健全な市場原理が働きにくいせいか、品種改良や技術革新へのインセンティブが働きにくい構造になっているといわれるのも納得できる。今後の貿易自由化の流れで、日本の農業が世界に立ち向かえるか気になるところ。2016/09/17
Ayumu Kobayashi
2
この本はまず明治から平成の鳩山政権までの農政を俯瞰しつつ、日本の農業、特に農地利用がどのような理由で無秩序化し、競争力を無くしていったかを冷静に分析し、提示して見せてくれる。単純に農政の歴史の勉強としても役立つし、それ以上にその農政によって人の意識がどのように変わり、どのような行動・結果につながっていったかという因果関係をはっきり説明してくれるので非常に腑に落ちやすい。 http://ayumnote.blogspot.com/2011/02/blog-post.html2011/02/20
にゃ
2
昨今の為替戦争により近い将来、通貨は暴落=資本主義は崩壊する。その時にモノを言うのは実物だ。特に食べ物を生産する農業はこれから強い。そうだ、就農しよう。そんな風に思っている人が最近多いのではないでしょうか。と言うか、私がそうです。そんな営農に安易に希望を持っている人はこの本を読みなさいと勧められて、手に取りました。現在の絶望的な日本農業の実態を冷静に分析・報告されていて心が痛くなるほど勉強になりました。解決策もちゃんと提示されています。ただ、政策提言に近いので個人で実行するのに難ありですが。。2012/01/17