柚子の花咲く

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柚子の花咲く

  • 著者名:葉室麟【著】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 朝日新聞出版(2012/08発売)
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  • ISBN:9784022507532

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内容説明

少年時代に梶与五郎の薫陶を受けた筒井恭平は、与五郎が隣藩で殺害された事実を知り、真実を突き止めるため鵜ノ島藩に潜入するが――。人を愛すること、人が成長するということなど、人間にとって大事なものを教えてくれる感動の長編時代小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

97
面白かったです。時代小説でありながらミステリー。郷学の講師の死の謎を解くべく奔走する若者たちの姿が素敵でした。義を貫くことの大切さも教えてくれます。柚子は九年で花が咲く。この一言にはじんわりきます。2017/12/27

じゅん兄

73
様々な形の人への想いを描いているように思う。恩師への尊敬の念、互いにひそかに想い続ける幼なじみ、父子の通じぬ気持ち。咲かない想いもあれば、柚子の花のように長い年月をかけて咲く想いもある。余韻は切なく温かい。2014/11/22

kazu@十五夜読書会

66
初読、葉室麟。『桃栗三年柿八年、柚子は九年で花が咲く』郷学教授梶与五郎が一太刀で斬られ発見される処から、物語は始まる。かって青葉堂村塾の教え子達が、死んだ恩師の悪評・噂に驚き、謎の死と汚名を晴らすため捜索するが、同じ切り口で友人が果てる。領地争い・当時の身分の違いによる婚姻・親子関係を絡めたミステリー時代推理小説を、教え子の主人公恭平視線で描かれる。頼りなく他人を頼る恭平だが、優しくまっすぐに生きる恭平に対する幼馴染おようの本心に気づき、恭平は成長しながら解決する。師を慕う子ども達に感動した。 2013/02/18

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

64
ご紹介本*人情時代小説*『戦場においては相手など選べぬのだぞ』と武士の子も百姓の子も分け隔てなく接し、誰からも慕われた最愛の恩師が殺害された!?その死に、よからぬ謀事を感じた若き藩士、筒井恭平は、師の無念を晴らすべく、陰謀渦巻く鵜ノ島藩潜入を試みる!――本書は以前、同著作品の感想をアップした時に"柚子の花咲く,,,ってのがまた良かった"と読友さんに教えて頂いた作品です。本当に素晴らしい作品でした!ご紹介ありがとうございます! ⇒続き2013/09/11

藤枝梅安

55
江戸時代、山陽地方の小藩の下級武士や庄屋や農民が題材。自分の生まれる家を選べない。人はその境遇をそのまま受け入れ、その中で少しでも自分を高めようとする。しかし、自分の出自が自分を束縛することに耐えられない者たちは、自分の「分」以上のものを手に入れようともがく。女を利用して自分の地位を保とうとする者は女によっておとしめられる。自分を生かし、周囲を生かす人の力の尊さをこの小説は訴えている。「銀漢の賦」に通ずる、「身分と良心」とのせめぎ合いを淡々と描いた作品。地味だけど、じわっとあとで効いてきます。2011/01/20

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