内容説明
副知事になった作家、3年に及ぶ格闘の記録
2007年6月、石原慎太郎・東京都知事からの「特命」は突然だった。
東京が国との間に抱える様々な問題を解決すべく、突破口となる役割を託された作家は、都庁の中で、何を見て何を感じ、どう動いてきたか。
作家の想像力が行政に与えた影響とは?
都庁で考えた「この国のゆくえ」とは?
就任から3年、永田町・霞が関との戦いから都職員との触れ合い、東京発の政策提言に至るまで、縦横無尽に綴る。
「東京都は昔から伏魔殿と呼ばれた。そんな形容詞でいかにもおどろおどろしく語るだけなら、何も説明したことにはならない」(プロローグより)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
68
石原都知事はどちらかというと積極的に嫌いだったのですが、昨今の政府と都のプロレスを見ていると、石原・猪瀬体制だったらもう少しマシに対応したのでは、と思うことがちらほらあります。きっと都知事は千回くらい失言しているのでしょうが。この本、水ビジネス、参議院議員宿舎、周産期医療、地下鉄、高速道路と話が具体的でとても読みやすいです。都職員時代の鈴木直道北海道知事も登場。鈴木知事には好印象持っているので、過去の人たちの評価も上げてしまうのかもしれません。2021/01/14
なにょう
21
なんか最近、都知事は交代が続いててどうなん?と思って、そんでこの方は3年副知事やって…あっこの方も知事やったんやねと思って読んでみた。★いやあ、この人は嫌がられるわ。出る杭でしょう。でもほんまに物知りで商売っ気もあって実行の人やね。今の日本、東京、若い人はあかんって言うのは簡単だけど、それじゃ自分は関係無いって感じ。それがこの人は今はどうなってるかきちんと把握して対策を打っていく感じ。2017/05/24
okanotomokazu
9
2010年に発刊。副知事時代の猪瀬直樹が一つひとつの施策にどのように取り組んだのかがよくわかる。石原都知事とのやり取りも面白い。 東京都は国に先んじて、新しい取り組みにチャレンジしてきた。それを支えてきたのが東京都の職員であり、猪瀬直樹も本書の中で賛辞を送っている。 東京都はときには国とも戦う。イメージでは分かっていたが、具体的にどのように戦い、国をも動かしてきたのかが分かった。 副知事の中でも異端だった猪瀬直樹が知事になった。本書から、今後の都の方向性も垣間見れた。2013/04/08
太田青磁
9
投票前に読みました。類い稀なる分析力に加えて硬軟取り混ぜた実行力に期待しています。2012/12/11
ロッキー
7
新聞・テレビでは政局、中国脅威論等のネガティブ報道がばかりが放送され、日本ビジネスの取り組みが皆無なので、この本は大変勇気づけられた。水道ビジネス、東京職員夕張市派遣、そして残念ながら落選してしまった東京オリンピック招致の目的と東京都から積極的に取り組んでいる実態を把握できる。日本の技術は素晴らしくまだまだ世界をリードしていけるんだということを実感した2011/01/19