内容説明
ベランダで自己流園芸に勤しむクリエーターのいとうせいこう氏と、世界的な花の育種家(ブリーダー)の竹下大学氏が、
不可思議な植物の世界をめぐって深淵で刺激的なサイエンス・トークを繰り広げる。
本書のタイトルは、人類は植物を利用して文明を発展させてきたが、
実は植物の方が種の繁栄のために人間を利用しているのではないかという発想によるもの。
動物との共進化に代表される植物の生存戦略、日本人の死生観と植物の関係性、
生殖から考えるオスの存在意義など多方面から植物にまつわるエピソードと可能性を語る壮大な対談集。
植物と人間の新しい関係が見えてくる、花とサイエンスの超入門書。
目次
第1章 植物の生命戦略
第2章 植物が日本人をつくる
第3章 この世にオスは必要か
第4章 植物は偉人を操る
第5章 権力と植物
第6章 花と共進化するヒト
あとがき対談 植物に試されるヒト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
57
近所の空き地に群生するはセイタカアワダチソウか、はたまたオオアレチノギクか。『漂流教室』的趣があってコワイのだ。そんな無知な私にもするするクスクス読めて、せいこう氏の「僕の把握している地球という空間が豊かにゆがむ」は言い得て妙。良本。2020/07/05
Sakie
17
プロの育種家竹下氏といとうせいこうの対談。軽い気持ちで読めるが、さらりと出る話題がべらぼうに面白い。八重咲の花ができる仕組み、純白の花が自然界に存在しない事実、ビールの主原料が大麦である必然性等々。『僕の把握している地球っていう空間が豊かにゆがむ』。いとう氏の関心は、国境なき医師団しかり、私の関心とつながっていると感じる。 植物の育種は特異なものを選ぶ作業の連続だ。それは即ち遺伝的な多様性を失わせる。だから、多くの遺伝情報が残っている野生種や古い品種を絶やさないために、種を保存するのだそうだ。2019/10/22
tipsy
12
"想像ラジオ"の解説に本書の事が書いてあり「死んでる組織と生きてる組織が両方あって木、生きてる組織だけなのが草花」という文に惹かれ本書を。木が半分死んでるとか物凄い生命体ではないかと。いとうせいこうも言っていたが読んでると、自分の把握している地球ってゆうか空間が豊かに歪む感覚になる。植物や空を見るのが好きなのだが読了後、確実に違う視点で見るようになっている。特に花を見る時。揺るぎない実績を上げている育種家の竹下さんが、「植物の育種をしていて、同業者が俺が作ったと言い切れる神経は何だろう」と。(続く)2016/05/23
やまとさくら
12
園芸エッセイ「ボタニカルライフ」から著者を知り、本書を手にとりました◎対談形式。いとうせいこう氏×育種家の竹下氏。育種家とは花や野菜などの新種を開発する◎お二人の軽快な会話から、園芸界の豆知識&雑学(と言うには もったいない)を 知ることができました。大航海時代や戦争の開戦・終戦に植物の利用や開発などに大きな影響をもたらした◎アメリカでは エジソンとフォードに並ぶ発明王の園芸家がいて、フォードは その人にトラクターをあげたり、エジソンは 園芸業界の特許のようなのに働きかけをしたとか。。◎また読みたいです~2015/05/12
ミエル
10
対談形式なので、理解しやすく読みやすい。この構成の勝利かも知れない。植物に支えられて生きる生物として、読んでおいて損はないと思う。2014/07/08
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