内容説明
恋愛――人生で一度は心を奪われる、このあらがいがたく不思議な力はなんなのか? 恋が過ぎ去ったあと、そのリアリティが失われるのはなぜなのか? 「恋愛」がもつ意味とは? プラトン、ゲーテ、ドストエフスキーらの格闘の軌跡を辿り、永遠不滅のテーマ「恋愛」を哲学する。人間の「実存」に新たな光をあたえた名著。
目次
恋愛の謎
結晶作用
「美」について
恋人
プラトニズムとエロティシズム
絶対感情
エロティックな欲望
恋愛の背理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ki_se_ki
6
恋愛は所詮文化であり制度であり、すなわち幻想なのであるという論が主流になりつつある現在。しかし、そのように恋愛を相対化してみたところで、では恋愛に陥った時の「あの感情」、相手の交換不可能性を核とするあの絶対的な感情が何なのかを説明することはできない。恋愛が幻想であるというのは「社会的文化的位相」の事情であり、恋愛状態における絶対性は「個人的実存的位相」の事情である、つまり問題のレベルが違うのだ。ーーわれわれの「実存」にとっての恋愛の意味を追求する一冊。2014/06/09
lily
5
世界の文学、哲学からの弁証法を駆使した恋愛論の完成品。内面の美、生の躍動感を味わい尽くす陶酔こそが恋愛の醍醐味。ドストエフスキーは再読しなきゃ。2019/05/01
Arowana
4
これもたしかな一つの思想ではないか。真摯な哲学的考察であり、相反するものはともに引き裂かれることなしに共存でき得るという可能性を示唆し、冷静に綱渡りを試みる平衡感覚も兼ね備えている著者の意外と知られていない名著。2012/05/25
水色。
3
プラトンやバタイユといった思想家、スタンダール・サドやトルストイといった小説家の叙述を下敷きにし人間の人生にとっての一大事である恋愛、ひいては人間の実存それ自体に迫った作品。「美」ないしそれに相当するもの理想の表象である相手を、心も肉体も自分のものにしたいという思いこそが恋愛ではないだろうか。人間と同様本質的に自己中心的なものであり、それゆえに相手へと開けたものなのであろう。2011/04/04
G.D
2
漸く読了。内容としては面白かったです。意外と見落としがちながらも、我々のすぐ側にあるものを分析、理解しようとする姿勢はとても良い。2019/05/18
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