内容説明
溝口洋、高校二年。加速する青春の日々!
中学三年の秋、「金剛ヶ峰自転車ロードレース」に参加した溝口洋。その好成績からスポーツ推薦で南雲学院高等部に進学、活躍を期待される自転車部の中心選手の一人となっていた。
しかし、二年に進級した洋の日常は、決して順調ではなかった。気の合った乗雲寮の同室者・浅月翠は英国へと旅立っていき、後釜の同室者には病弱で神経質な後藤恒弘がやってきた。そして洋の自転車部での日々にも静かに暗雲が垂れこめてきている。
それは中三の秋の「金剛ヶ峰自転車ロードレース」に端を発していた。現キャプテン・南雲真一と最後のゴール地点まで激戦を演じた洋。しかしそこで起きた出来事は、洋の心に決して癒えない傷となって刻み込まれてしまった。そんな洋の自転車部でのポジションは下がり、親友・田村岳との間も気まずくなっていく。そして幼なじみの多恵との間にも小さな間隙が開いてしまった。
悩み苦しみ抜いてペダルを踏み続ける洋。復活のきっかけは訪れるのか?
大河自転車小説第2弾、もがき苦しむ青春群像を描く高校生編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
41
高校生の自転車ロードレース。1巻で実業団ジュニアチームの存在を知ったけど、高校の自転車競技部では、ロードレース組とトラック組に分かれるところもあるんだなぁ。私の高校ではロードレースしかやっていなかった気がする。ロードレースが好きでも、まだまだ知らないことはたくさんあるな。レース中の臨場感は少なめに書かれているけど、仲間や恩師がいるから、スランプから抜け出せるという青春ものかな。とりあえず、ラストの3巻へ。2019/08/19
はじめさん
23
晴れて特待生として入学を果たした少年。周りからも一目置かれるが、過去の落車トラウマから重要な場面で弱虫ペダルに。ト○タばりに街を支配する企業の御曹司にしてキャプテンは平気で失望したよ、とか言うし、異母弟や「歳下の叔母」がいたりと企業経営一族の驚異的な下半身。一般入試を経て自転車部に入ってきた同級生からは「特待生ってこんなもの?」と冷めた視線くらったり、チーム関係者からは「いつまでもお客さんではいられない」と厳しい言葉攻め。学費寮費機材すべて負担してもらってるし、結果を出さねばという重圧がのしかかる…。2020/09/20
緋莢
12
南雲学院高等部に進学、寮に入り、自転車部で日々、厳しい練習を続ける溝口洋。中心選手として期待される洋だったが、スランプ中で思うような走りができない。キャプテンの南雲真一に見放され、親友の田村岳とも気まずくなってしまい・・・2017/07/04
ぺーいち
10
ひとりひとり役者が揃っていく一方で、挨拶もそこそこにフレーム外に飛び出していく思わせぶりな人物も。中学三年から始まったこのシリーズ、どうやら長大な構想がありそうだ。路面は粗く、景色は目まぐるしいが、風は変わらず心地よい。2014/07/02
伊織
10
あぁ…遂に読み終えてしまった。案の定、一気読みでした。てっきり1の続きから始まると思っていたら見事に肩透かしを食らっちゃいましたが、それもまた良し。今回はスランプに陥った洋ですが、どうなることと思いきやちゃんと収まってよかったです。ただ、スランプから抜け出すキッカケがもう少し明確に描かれていたあ方が良かったかも?私は今までの経験があってこそ、なので良かったですが。それにしてもまさの後藤くん騒動にはビックリです(笑)んで、3巻早く読みたいっ!!2010/08/07