内容説明
著者は、「歌舞伎とは、ただ舞台を楽しめばよいもの」だと考えています。「歌舞伎」を「森」にたとえ、ただ森林浴をするように、舞台の華やかさに身を任せるのも楽しいし、木々や草花の種類を確かめながら散策するように、舞台の知識を持って観劇するのも楽しいと述べています。NHKプロデューサー・ディレクターとして数多くのTV舞台中継を手掛け、その中で「歌舞伎」に持った様々な疑問に対する答えが本書です。一般的な「案内書」「鑑賞入門」には触れられていない、「代役の条件」「二種類の子役」などなど、現場で感じた様々な具体的な疑問に答えています。役者さん、裏方さん達に直接「聞いた、……教えられたことを思い出しながらエッセイ風に綴った、読み物」です。
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目次
序 歌舞伎の森へ
第1章 俳優の姿
第2章 役柄のこと
第3章 俳優のこと
第4章 芸の表れ方
第5章 演出と演技
第6章 音楽
第7章 踊り
第8章 脚本
第9章 観客
第10章 歌舞伎のこれから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshihiro Yamamoto
1
B- 古本屋で目に留まり購入。著者のことは知らなかったが読みやすい本だった。ただ、6年前の本なので、「⚪︎代目△△」と書いてあっても代替わりしていたりするので、あれっ?と思うところが随所に。歌舞伎ファンになるには長い年月がかかるものだ。役者以外の歌舞伎の周辺については、いろいろな知見を得た。「加役」「狂言作者」などの言葉の意味や、一つのセリフを竹本(義太夫)と分けて語るのは、所作をしやすくするためだとか、同じ屋号の役者に声をかける時は、本家筋は屋号で、分家筋は「住所(紀尾井町)」を使うなど、参考になった。2016/10/04