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内容説明
華も艶もある色彩、柔らかなフォルム、具体的で親しみやすい画題。目にも心にも優しい印象派の作品だが、創作の根底にある「印象」とは何なのだろうか。ルネサンス以来の伝統に支配されてきた西洋の美意識は、マネやモネの登場によって、決定的な変化の時を迎える。本書では、印象派誕生に焦点をあて、その革新性に迫っていく。多彩な人物たちが交錯した一九世紀中葉パリの濃密な空気がここによみがえる。図像資料多数。
目次
第1章 印象派の成り立ちを見てみよう(バティニョル街のアトリエ
残りの三人 ほか)
第2章 スキャンダルの真相(落選展の草上の昼食
なぜ、大スキャンダルになったのか ほか)
第3章 マネのリアリズム(魅力の源泉
鉄道ほか)
第4章 光の画家モネ(制作するモネ
クールベの画家のアトリエと比べてみよう ほか)
第5章 マネの「印象」とモネの印象(「印象派」の名付け親
第一回展のキーワード ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
40
ぼくはアートについてはまったくの素人なのだけど、本書を読み「そもそも、ぼくはアートそのものを誤解していたのかもしれない」と考えさせられた。静的な(別の言い方をするなら「崇高な」「神聖な」)産物としてマネやモネ、セザンヌなどの絵画をとらえていたのだけど、著者の上品な筆致を追いかけていくとそこにあるのは実にダイナミックに世界にあたらしい表現を叩きつける画家たちの姿であり、かつそれが「印象派」という巨大なうねりとなって世界を変えていく現象だ。著者の解説にしたがって読めば、さまざまな「勘所」も学べて実にタメになる2025/09/14
なる
21
日本人が好きな外国の画家というとだいたいイメージされるモネやセザンヌ、ルノワールなどの印象派(ポスト印象派のゴッホなども関係)が好まれるが、その印象派の成立するまでの歴史を紹介している。「印象派」呼びのきっかけとなったのはモネ『印象、日の出』からと言われており、この題名はマネの発言から来ている説があったりもする。日本ではモネに名前が似てる人、ってイメージの強いマネが実は印象派の主軸だった人物だったり、当時の人のつながり(早世したために知名度の低い画家たち)というのがわかってきて非常に興味深く楽しめる。2024/08/07
ヤギ郎
12
近代美術の一派「印象派」の誕生を語った本。副題にある巨匠マネとモネに限らず,関連する画家さんもちゃんと登場する。画家といえば,屋外制作をする人,「アトリエは外だ!」と主張するような人をイメージするが,実際は,印象派の人々が活躍する前までは,工房で制作活動をしていたらしい。それを大きく変えたのが,印象派画家の生きていた時代に発明されたチューブ入り絵具だそうだ。この本の残念なところとして,ジャポニズムの記述がまるで無い。特に晩年のモネにとってジャポニズムは大きいんだよね。2017/11/14
hit4papa
12
19世紀後半フランスに誕生した印象派というムーブメントを、その中心人物であったマネとモネを通して概観するものです。当時の伝統的な西洋絵画に反旗を翻すがごとく、とんがった存在であったことがわかります。後世に名を残す人々は、道を切り開いていく情熱があってこそなのですね。
ヤギ郎
11
マネとモネの二人の画家を中心に「印象派」について書いた本。2015/10/01
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