内容説明
美人妻と高収入の勝ち組人生を送るファンドマネージャー麻生貴志、42歳。だが、かつて憧れたミチルに持ちかけたインサイダー行為が、彼を終わることのない地獄へと転落させていく――。不倫、脅迫、解雇、離婚。未公開株詐欺に手を染め、保険金目的で殺されかけても、残酷な負のスパイラルは終わらない。それでも、かすかな光が残っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バネ
58
令和転落シリーズ第1弾。 ラストまでのこれでもかの転落ぶりは見事なものだったが、ラストのまとめ方がちとグダってた。大好きな山田宗樹だけに、ちと残念だった。(…最近、批判ばっか。。) 「生きてこそ」ってコトは、よく分かるんだが。。2019/06/22
choco
58
チョット山田宗樹にはまりそう。嫌われ松子の男版て感じ。まさに、自爆。しかし、余程の運のなさ、女に騙されるにしてもなんとも可哀そうな結末。がんばれ!麻生!生きていたらいつか、晴天がやってくるさ!2016/07/06
hrmt
41
年収2000万のファンドマネージャーからのあれよあれよという間の転落人生。自業自得とはいえ、堕ちながらも完全には自暴自棄にならずなんとか社会生活に踏みとどまろうとする本来の人間性は、とても悪質なわけでないから却って普通人っぽくて迫ってきます。ラジカセを破壊して“残っていた微かな光”はあまりにも頼りなく、本当に地に足つけて一歩ずつ歩んでいく事ができるのか…と不安になりますが、常に目の前にある、全て放棄した死への安楽に伸びる触手を横目に捉えながら、人は人生をやり過ごしていくものなのかもしれない…と思いました。2018/01/05
Junichi Yamaguchi
31
『ライナスの毛布』… THE転落… 当たり前のことだが、人類には男と女しかいないと思った。 あまり高い位置にいない自分でも転落を考えるとゾッとしてしまう。 僕にとっての「ライナスの毛布」は⁈ そんなことを思い考えながらの読了。。2017/08/05
ペーパーピーポー
27
自業自得の主人公を笑えたのは中盤まで。 終盤は同情すら感じてしまった。 『人の不幸は蜜の味』とは言うものの、限度ってあるよね。2020/08/10