内容説明
幽霊話で江戸庶民をふるえあがらせ、同時に熱狂的にむかえられたのが、四世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』であった。悪のヒーロー民谷伊右衛門、お岩の顔の変貌、意表をつくさまざまな趣向など、『四谷怪談』は興味のつきない作品である。まさに怪談話の最高傑作とよぶにふさわしい。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
21
お岩さんの話、という予備知識しかなかった、もともとは歌舞伎台本の幽霊ばなし。『少年少女古典文学館』の一冊ということですらすら読み進めることができる。高師直と塩谷判官が背景にいて『仮名手本忠臣蔵』の並行世界であることも知らなかった。なんと言っても伊右衛門の悪役ぶりが際立つが、怪談の引き金となる事件が意外なところから齎され、彼らも復讐の対象となる。かなりご都合主義的な展開も目立つが、多くの人物の欲と変愛が絡み、ひとり語りの怪談にはない演劇的な興趣が強い。この映像的な怖さを文字だけで表現する至難に挑戦している。2024/08/26
うーちゃん
18
現代語訳なので非常に読みやすい。児童書だし。怪談としての恐ろしさもさることながら、業に翻弄される人間たちの怖さ・空しさが、情感溢れる会話によって 浮かび上がってくるのが興味深かった。暗い、ドロドロした物語であると思われがちだが、お岩さんが幽霊となってからは 怒涛の無双モードに突入する上に、悪人どもはもれなく成敗されるので、思いのほか清々しいカタルシスを得られる。例の毒薬を、病身のお岩への妙薬だといって飲ませる場面、岩は涙をこぼして「お優しい伊右衛門どの・・」と感謝する。・・可哀想すぎて泣けるシーンだ。2014/02/23
ryohey_novels
6
怪談のイメージを超え、時代を超えて通用するエンタメの全てが詰まった傑作。岩と伊右衛門の感情描写、岩の数々の呪い、終盤のドラマのような躍動感あるラストシーン。鶴屋南北は「見せ方」を熟知している。確かに伊右衛門は悪人だが、一方的に憎くは思えない。主君が死に、藩が潰れ、生活が苦しい中で、同志は仇討ちのみ、自身は不忠と謗られる。妻は病み、子どもは幼いとなれば、苛立ちが憎しみに変わるのも理解できる。むしろ伊藤家の面々の自分勝手さへの怒りの方が強い。伊右衛門が安らかに討たれる場面には、読者としてわずかな安堵を覚えた。2026/04/27
たつや
4
このシリーズ図書館でついつい手を出してしまう。四谷怪談はなんとなくしか内容を知らないので、初読みです。伊右衛門が本当に酷すぎて、そりゃお岩も祟るな〜と、納得する。機会があればお岩さんのお墓参りをしたいと思える程、同情する。そして、某飲料メーカーはこんなクズの名前を商品にしたなと思う。もう買わない。2022/06/28
訪問者
3
なるほどこんな話だったのか四谷怪談。まさに怪談話の最高傑作。2022/07/29
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