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内容説明
ひとはなぜ、自由が拡大したのに不自由を感じ、豊かな社会になってかえって貧しさを感じるのか。「自由」「責任」の本質は何か。哲学の発想から常識とは違う角度からものを見る方法を考える。人々と対話し思索を深める“臨床哲学”の立場から、複雑化した社会のなかで、自らの言葉で考え、生き抜いていく力をサポートする。
目次
問いについて問う―意味について
こころは見える?―ふるまいについて
顔は見えない?―人格について
ひとは観念を食べる?―生理について
時は流れない?―時間について
待つことなく待つ?―ホスピタリティについて
しなければならないことがしたいこと?―責任について
所有できないものしか所有できない?―自由について
同じになるよりすれ違いが大事?―コミュニケーションについて
できなくなってはじめてできること?―弱さについて
憧れつつ憎む?―家族について
未熟であるための成熟?―市民性について
わかりやすいはわかりにくい?―知性について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
48
そのとおりと思う1冊。そもそも、わかるとは・・・を考えること。それにプラスして、何を考える・わかる・わかろうとする。不定期ではあるが、鷲田先生の本に触れたくなるのは何故だろう。ふと浮かんだのが、ネガティブケーパビリティ。2024/01/23
みねね
43
入試現代文を彷彿とさせる、気をつけていないとするりするりと思考を滑り落ちていく文章。新書は捉え所の難しい事象をひとつ型にはめて「どうだわかりやすくなつただらう」と一円札を燃やす成金みたく言われるのが常だと思っていたが、本書はその型も危険視し否定する。だから見ようによっては何も書いていない本になってしまうのだが、短絡的な思考を排除してじっくり考えるくせを取り戻すにはとてもいい本だ。気に入っている文章は「論理に代わってイメージの連接が、推論を駆動しているかのような印象が拭えない。」p1772023/09/28
かふ
26
鷲田さんの本はぐっとくるのが多いな。年取ってもわからないものはわからない。年取ったからすべてが明らかになるわけでもないんだよな。そのへんは精神安定剤みたいな本だ。 臨床哲学と書くと難しそうだが、ようは心のエッセイだった。例えば時間は川の流れに喩えられが、橋に立って流れる先を見るのは若い時で、流れ去っていく後ろ向きなのが年取ってからというような時間の概念。それがさらに年取ると一枚の絵のように過去も現在も一緒に現れてくるのだという。そうだったのかと納得してしまう。2021/08/20
おおにし
20
イデオロギーとはだれも正面切っては反対できない思想のこと。冷戦終結後終焉したはずのイデオロギーがまた蔓延しだした、という指摘は私も実感するところ。こんな時代だからこそ、「思考の肺活量」(いますぐわからないことに、わからないままつきあう思考の体力)が必要。思考の肺活量とは良い例えだと思う。鷲田先生の使う言葉はどれも私にはとてもしっくりきます。2015/06/14
karutaroton
18
答えが分からなくても分からないなりにどう正しく処するか、意思決定するか、というはなし。待てない、寝かせられない子育てや評価制度、所有物に所有され返す守銭奴や嫉妬、サービスシステムが完備していく中で失われる生老病死への対応能力(マニュアルとかもそうだろうな)。分かってないことだけは分かっておきたいと。2020/09/06
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