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内容説明
スサノオは日本に来る前に、朝鮮・新羅に降臨したと『日本書紀』にはある。また『古事記』や『日本書紀』には、「アメノヒボコ」という新羅の王子が描かれている。一方、新羅には、海の彼方からやってきたとされる脱解王の伝説がある。日本と新羅……。日本海を隔てて響きあう、それぞれの伝説は何を意味しているのだろうか。江上波夫氏の騎馬民族征服王朝説以来、天皇家は朝鮮半島から渡来し、日本を征服したのではないか、という説が唱えられてきた。江上説はすでに輝きを失っているが、いまだ「海の外からやってきて征服した」という漠然とした常識が、日本人の歴史観に影響を及ぼし続けている。しかし、新たに発見される考古学の遺物は、「天皇家=征服王」の可能性を否定するものばかりである。著者は、両国の伝承を丹念に読み込み、考古学の最新成果を照合し、この謎解きに果敢に挑んだ。その結晶が本書である。壮大な構図で古代史最大の謎に鋭く迫る!
目次
第1章 渡来人と森の話(はたして日本は半島の人びとによって征服されたのか;騎馬民族は日本を簡単に征服できたのか ほか)
第2章 アメノヒボコの謎(神話を読めば天皇家が渡来人であることが分かる?;時代遅れの王朝交替説 ほか)
第3章 ヤマト建国の知られざる黒幕(忘れ去られた豊岡と出石(但馬)
豊岡盆地の何がすごいのか ほか)
第4章 往還する神々と天皇家の正体(アメノヒボコはよそ者だから王になれなかったのか;神話に隠された真実の歴史 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
3
天日槍をキーマンにして古代史の謎を探る。専門家からすると、いわゆるトンデモ本かもしれないけれど、古代史の知識が乏しいから納得できる推測もあるように思える。やたらと「鉄」に関連させる論法はちょっと強引に感じる一方で、「神」の字を含む諡号を持つ3人の天皇の関連性とか、日本書紀と風土記の齟齬だとか、研究の余地はありそうだ。そもそも古代史は推論ばかりだから、学説だって諸説入り乱れてるみたいだし。権力者が編纂した史書は都合よく史実を改竄されるのが当たり前だから、裏を読む楽しさがあるんだね。 (★★★☆☆)2017/02/16
マツ
0
歴史は様々な解釈ができて面白い!2016/03/15
おっちー
0
相変わらず強引な力業を駆使する関裕二史観ですが、この人のおかげで天智・天武辺りの歴史の面白さを実感したのは事実。まあ、今回はそれよりもずっと以前の古代史がテーマですが…。最近の難点は「拙著にゆずるが」が多いこと。自説が重複するのは仕方ないことだけど、ならばコンパクトに説明できるべき。「他の自著も買って読んでくれ」ではなぁー。飛鳥昭雄みたいだぞ!と悪口?言いたくなる。2012/12/10
恵
0
相変らずの関節・・・何冊も読んでると、かなりの分量が重複してるなと思ってしまう(汗)。でも確かに、アメノヒボコに「天」がつくのは不思議かもしれない。2010/10/20