内容説明
万年金欠状態の梅寿の個人事務所<プラムスター>に時代劇オーディションの話が舞い込んだ。一門をあげての参加の末に、合格したのは金髪トサカ頭の竜二。芝居の面白さにハマり込み、落語の修業も上の空。案じた梅寿は地方のボロ劇場に竜二を送り込むが、ここがまた曲者ばかりの芸人の巣。さらには、東京vs大阪の襲名を賭けた世紀の対決が勃発して…。ますます快調! 青春落語ミステリー第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
シリーズ3作目でここには8つの話が収められています。落語のネタが話になっているいつものとおりですが、私はいよいよ最後かと思っていたらまだ続いているようです。というのは、この主人公をいつもしばきながらも陰では早く一人前にしようとしている師匠の姿が垣間見えたからです。それと最後の章ではいよいよ最後かという状況で、この名跡を誰が継ぐのかということでの弟子たちのあいだでの葛藤があります。そこで師匠は‥‥、ということでまだまだ話が続くようです。2023/04/17
はつばあば
40
ハナシがはずむというより、表題の謎解きもなく、例の如く貧乏な師匠に追い立てられ、右往左往してるとさかの兄ちゃん。師匠も弟子が多くても少なくても後継者問題では頭が痛い。それでも何かにつけてとさかの兄ちゃんを前面に出すからには相当見込みがあるのだろう。一度傾聴してみたいわ。師匠、あんまりお酒呑み過ぎたらあきまへんぇ。読み友さんにも「お酒切らしたらあかん」ゆう人もいてはります。九州も関西もお酒は美味しいけど、どちらさんも程々に。お後は「ハナシがうごく」。どない風に動くのか・・ちょっと刺激が欲しいですわ。2015/05/27
五右衛門
39
改めて面白いです。 師匠、脇役達がおもしろすぎます。 主人公よりおもしろすぎます。 周りの人たちに見守られながら一人前になっていくんやね。どこの世界も一緒ですね。2012/06/15
ううち
29
テンポ良く話が進むのでスラスラ読めて、上方落語を聴いてみたくなります。相変わらず竜二くんは色々なものに影響されやすいけれど、寄り道しても、何かを得てきちんと戻ってくるのが可愛い。見守りたくなるキャラなのです。師匠はうまく育てているなと思います。大女優様のデビュー作「彼女が作務衣に着替えたら」に笑った。年がバレる(^^;;2014/10/17
ぜんこう
27
今回は主人公竜二の襲名のゴタゴタやら、師匠梅寿の危篤騒ぎとか、なかなか落ち着きのない話でしたが、結局話がはずんで、どんどん読み進めることができました。 続きを手に入れて読まなくては。2016/07/28