講談社選書メチエ<br> 宗教で読む戦国時代

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講談社選書メチエ
宗教で読む戦国時代

  • 著者名:神田千里【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2013/07発売)
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  • ISBN:9784062584593

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内容説明

戦国日本人の「見えない宗教性」を解明。なぜキリスト教は拒否されたのか。一向一揆は宗教一揆だったのか。宣教師も驚いた戦国日本人の高度な精神性。その「ゆるやかな宗教性」のバックボーンとしての「天道」思想をキーワードに、一向一揆、キリシタン論争から島原の乱まで、日本人の心性に新たな光を投げかける。(講談社選書メチエ)

目次

第1章 宣教師の見た日本の宗教(宣教師の見た日本 仏教とキリスト教との出会い 魂は永遠か―禅宗との論争)
第2章 戦国びとの信仰(「天道」思想の浸透 聖俗の棲み分け―戦国時代の「王法」と「仏法」)
第3章 一向一揆の実像(教団のための戦い 政治抗争の中の一向一揆 一向一揆の特質)
第4章 戦国大名・統一政権と宗教(戦国大名と教団の自治 アジールの統制 諸教団の共存)
第5章 島原の乱と禁教(宗教一揆としての島原の乱 島原の乱の宗教的背景 禁教と日本の宗教)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

25
宗教的に見た戦国時代+島原の乱という一冊。宗教を扱っている割には教義や布教戦略については考えずに当時の文献に書いていることを額面通りに受け取って組み合わせただけの印象が強い、当時の村人が「キリスト教も仏教も同じではないか」といったことを引きずり過ぎだし、本当にそうなのかとカトリックと曹洞宗などの戦国時代の有力仏教を比較したところがないので説得力不足。また、イエズス会の戦略の変化を読み取れていないのか調べていないなど物事を一面的に捉えすぎているため消化不良。問題提起としていろいろな情報があるのは良かった。2022/09/30

月をみるもの

11
”すべての宗旨を共存させるという論理は、当然ながら古典的ともいえる矛盾をはらんでいる。すなわち、自分の信仰のみを正しいとして他宗派を攻撃する宗旨とは共存する手段がな い、という矛盾である。日本風にいえば「自讚毀他」を行うキリシタンとはそもそも共存できない。いやキリシタンだけではなく、他の宗派を「謗法」として否定していた日蓮宗不受不施派が、結局のところ、宗派内抗争のあげく禁止されたことも同じような事情があったかも知れない”2019/04/14

in medio tutissimus ibis.

8
中世日本の宗教観は神道仏教問わず普遍的な救済の道の優劣のない一つであり、専修の必要こそあれ完全に個人の選択の問題。カトリックの宣教師はそうした態度に共感しつつも、本国向け報告書には悪し様に書いたのが残っていて現代からの認識を歪めている。現場の同業他社同志では妥協できるけど遠い本部とか内部抗争ではできない感じはすごい人間臭い。島原の乱以外は宗教的な戦というのはなく、一揆や大名への敵対や見方も殆どただの政治闘争だと当時の人間は認識していたのではないか。宗派を跨ぐ普遍的宗教観が同時代のインドに似ているのに驚き。2022/09/09

RYU

8
キリスト教が伝来した戦国時代。宣教師が遠く異国の地である日本の「天道」にキリスト教の「神」に近いものを見出していた点は興味深い。 織田信長であろうと上杉謙信であろうと天道を非常に畏れており、当時の日本人は、外面は世俗道徳に従って天道に背かないように行動していた。対して信仰はあくまでも内面の問題であり、基本的に他の宗教に対して寛容だった。時に行動規範まで規定する宗教とは対照的だなと感じた。示唆に富んだ良著。日本人の宗教観を知るヒントになった。2012/07/05

MUNEKAZ

7
キリシタンや一向一揆、島原の乱などを検証しながら戦国日本の宗教意識に迫った一冊。著者が「天道思想」と呼ぶ、聖俗の棲み分けと諸宗派の共存を特徴とする宗教観が広がっていた当時の日本の姿は興味深く、そこに対抗宗教改革期のカトリックが流入してきたならば、軋轢や衝突が絶えないのも納得である。「信教の自由があった」と言われると持ち上げすぎな気もするが、中世人の宗教観が極端で異世界なものではなく、現代に通ずる点の多いものであることがわかる良書。2018/07/01

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