創元推理文庫<br> 五声のリチェルカーレ

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創元推理文庫
五声のリチェルカーレ

  • 著者名:深水黎一郎【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488404116

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内容説明

昆虫好きの、おとなしい少年が起こした殺人事件。犯罪の低年齢化が進む今日では特に珍しくもない事件と思われたが、唯一動機だけは、少年も堅く口を閉ざしていた。家裁調査官の森本が接見で得たのは「生きていたから殺した」という謎の言葉。被害者は誰でも良かったという無差別殺人の告白なのか、それとも――。少年は何故、そして誰を殺したのか。最後まで隠されていた事件の〈真相〉を、あなたは見破ることが出来ましたか? メフィスト賞受賞の気鋭が技巧を尽くした表題長編に、短編「シンリガクの実験」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

80
昆虫うんちくが満載で擬態なんかが興味深い。おまけ?の短編も良かった。2014/03/25

セウテス

66
おとなしい、至って普通の少年が起こした殺人事件。少年はすでに鑑別所に居り、家裁調査官の森本との会話から始まる。本作は、少年や殺害された人の名前が伏せられていて、昆虫好きのその少年の言動から、何故そして誰を殺したのかを推理していく事になる。正直、作者の狙いはなんと無く理解出来るのだが、予想の範囲内の結末としか言えない。謎の提起の為に、この様な設定と展開にせざるをえないのだろうが、それが読み難さになっている。何とか驚かせ様と無理に隠し事をしている為、結末を詠まれて仕舞う結果になる、テーマ自体は面白いのだが。2018/06/04

だんじろー

45
いじめ被害者の心理描写が緻密で執拗。そして構成がお見事。作品に幅を持たせてくれる昆虫と音楽の薀蓄も適量で嫌味がなく、お約束通りカタルシスもちゃんと用意されていた。今更ながら、文章も達者。2015/05/09

ヒロユキ

31
誰が、誰を、何故ー?最初は自分がどの瞬間で騙されたのかまったくわかりませんでした。昆虫、音楽に関する蘊蓄や少年法、いじめに対する問題提起。多様な面を持っているのがいい目眩ましになっているのかな。2013/11/01

usarlock

29
表題作と書き下ろしの「シンリガクの実験」を収録した一冊。「五声の~」は昆虫好きの大人しい少年が起こした殺人事件の動機に家裁調査官の森本が迫っていく。少年が誰を殺したのかが分からず、何だかしっくりこない据わりの悪さを感じる話だったが、がっつりやられてしまいました。深水さんらしい芸術の薀蓄に加えて昆虫についても分かり易く書かれていて面白い。「シンリガク~」は子供のいじめを取り扱った作品かと思いきやそうでもなかった。こういう終わり方は好きかも。2014/12/09

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