内容説明
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と町を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが──「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作! 番外編も完全収録!!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
841
一面白の絶望が世界を支配しようとする時、たったひとりの少女を守るため、男の命懸けの衝動が世界を救った!!(あまーい♪) チョットしょっぱいエピソードもあったから甘さひときわですぅ(笑) ノブオ君のルポが涙腺に「トドメ」ですね v(^_^)2010/02/21
ehirano1
833
噂に違わぬ面白さでした。ショタの頃に楽しく歌ったグリーングリーンの歌(7番まであるとは知りませんでした)をこんなに当てはめて来るとはねぇ、しかも旧約聖書の一話を使うわ、ダーティー・ハリーの名言“Go ahead, make my day”も出て来るわ、いや~マイリマシタ。コロナ禍という全く以てありがたくない新たな時代(?)のメタなのか?と考え込んでいます。2020/11/07
佐々陽太朗(K.Tsubota)
832
この小説に出てくるカップル「秋庭と真奈」「由美と正」は今風のカップルながら、そのメンタリティーはけっこう古風ですね。『空の中』に出てくる「瞬と佳江」「高巳と光稀」もそうでしたけど。言いたいことを言えない、近づきたいのに近づけない、お互いをかけがえのない存在として大切に思いながら、お互いを思いやりすぎてぎくしゃくする。このイジイジ感がたまりません。それから、脇役で登場する入江慎吾、ナイスキャラです。海堂尊氏の小説に出てくるロジカルモンスター・白鳥圭輔にも似た圧倒的存在感。脇役が光ってるのも良い小説の条件です2010/02/06
れみ
756
塩害によって人が死に街が塩に埋め尽くされた世界が舞台の、塩害がなかったら出会うことも一緒に暮らすこともなかったはずの真奈と秋庭と、そしてふたりが出会う人々のお話。ファンタジー色の強いものがあまり得意じゃないので読むのを躊躇してましたが…思ったよりも読みやすく初期の作品なのに何の違和感もないくらいに有川浩さんでした。「空の中」と「海の底」も読んでみよう。2013/08/17
zero1
753
【きれいごとや理想はね、生きていなくちゃ語れないんだよ】旧約聖書【ソドムとゴモラ】を思わせる、人を塩の柱に変える塩害。生き残った高校生と無骨な男は共同生活する。入江の登場で世界を救えるのか?人気作家、有川のデビュー作(後述)を久し振りに再読。F14奪取など正直、粗い。構成や文章など稚拙でラノベは所詮ラノベのレベルでしかない。でも粗い中に有川の訴えたいことが伝わる作品。だから彼女は支持される。【書きたいように書こう】という姿勢は今も有川の中に残っている。大甘の恋愛も有川らしさだが評価は割れそう。2019/11/13




