中公文庫<br> 「史記」再説 司馬遷の世界

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中公文庫
「史記」再説 司馬遷の世界

  • 著者名:加地伸行【著】
  • 価格 ¥691(本体¥629)
  • 中央公論新社(2012/11発売)
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  • ISBN:9784122052727

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内容説明

中国前漢の時代、司馬遷は何を感じ、何を考えて、『史記』を書いていったのか。その生い立ちから、腐刑の屈辱と苦しみに耐え、『史記』の完成にいたるまでを、時代背景とともに辿る。司馬遷の実像に迫り得た名著。
『史記――司馬遷の世界』加筆・改題

目次

第1章 歴史家・司馬遷の誕生(青春放浪;司馬家の系譜と生い立ちと;放浪以後の司馬遷;道家思想と儒家思想と)
第2章 『史記』の時代―呪術と迷信とのなかで(漢代の呪術と迷信と;武帝の性格;司馬遷の武帝像;天人相関説;司馬遷の世界観)
第3章 『史記』完成への道(李陵事件;腐刑;不孝者の意識)
第4章 司馬遷の世界(去勢コンプレックス;『史記』の構成とその意味と;論賛の成立;自画像)
付論―「後記」に代えて(武田泰淳の虚像;再説「武田泰淳の虚像」―石上玄一郎氏に答う;「武田泰淳の虚像と実像」について)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

denz

2
「史記」というよりも副題にある司馬遷に焦点を当て、天文学者=占星術者としての性質など当時の教養や思想的雰囲気の中で育った知識人としての、そして「腐刑」によって生物学的な「孝」を実践できない代償として親の名を永遠にするための歴史書編纂、そして本紀における武帝の対匈奴戦への奇妙な沈黙と「平準書」における経済の衰退の記述から読み取る司馬遷の武帝への視線など、「史記」の内容よりも構造を説いてくれる。しかし、これらをぶっ飛ばすあとがきの院生時代の思い出が強烈である。そして若き日の孤剣楼先生の論客ぶりの再録も良い。2013/10/25

ukmy

1
史記について、司馬遷について、じっくり考えさせられました。天道、是が非か。人の世は憂き世なのでしょうか。そしてそれが故に絶望や憤怒さえ、エネルギーにして生きる。残す。死ぬ。残す…それは後世の賞賛も批判も受け入れるということ。2016/03/23

サチ

1
去勢コンプレックスが『史記』に与えた影響や、論賛の成立過程(著者推察)、李陵事件の真相(著者推察)など、面白く読めた。厚みの割りに中身が濃い印象。2012/01/20

じろう

0
司馬遷を違った角度から見れたような気がして面白い。ただ巻末の武田泰淳批判はちょっと泰淳さんに対して厳しすぎるような気がする。泰淳を擁護した石上玄一郎の説が妥当なところ。加地の司馬遷像のように鬱屈したものが加地さんにあるのだろうか。学問界ではマルクス主義系に批判され、論壇では泰淳ほどの名声を得られず、フロイト的に言えばそれが過剰な批判につながっているようだ。その鬱屈感が加地さんの本を面白くしているのかも知れない。2018/08/28

さーど

0
『史記』そのものよりも、サブタイトルにもあるように司馬遷が史記を作り上げた背景について熱く論じた本。 『史記』を司馬遷という人間の人生の写し身として読み解いていく。特に司馬遷の感情面に多くスポットが当てられている。 『史記』の副読本と言うよりは司馬遷の伝記のひとつとして読むのが良いだろう。 余談だが、この本で語られる司馬遷の激情には大変生々しい説得力がある。おそらく著者である加地伸行氏は司馬遷の人生、特に李陵事件と自らの経歴を重ねて何か深く同情するところがあったのでは無いかと推測する。2015/03/31

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