内容説明
2011年4月、公文書管理法施行。
日本は公文書を残していけるのか?
国や行政法人の活動の記録である公文書を保存・公開するルールである「公文書管理法」。
その成り立ちから、社会的・歴史的な意味、運用に当たっての課題、そして、一人ひとりの人間が生きた証としての私文書まで、日本の記録資料の現状を取材した日経新聞編集委員が書く体験的アーカイブズ論。
アーカイブズの海は、深くて広い。
目次
1 公文書管理法はなぜ、必要なのか
2 公文書管理法の成り立ち
3 深くて広いアーカイブズの海
4 デジタル化の功罪
5 記録資料を残す意味
6 記録資料を残すには
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
1
ふむ2018/02/11
水無月十六(ニール・フィレル)
1
公文書。価値がないわけがない。この本に出てきた「除籍簿」?(正確な名前忘れてしまいました)の話は考えさせられる。電子情報の保存のあり方についてもかかれている。公文書、アーカイブスへの一提言。2014/06/12
わきが
0
日本の公文書管理の実態、海外の公文書管理との比較、公文書管理法成立の経緯、検索性の問題などデジタル化の弊害と課題、記録を残す意義、専門職育成の必要性などが書かれています。本著では言及されていませんでしたが、TwitterやfacebookなどSNS、ウェブログの保存もやらなきゃならないだろうけど、課題があるなあと思いました。西洋かぶれと思われようが、ヨーロピアーナ(ヨーロッパの美術館・博物館・図書館などのデジタルデータのポータル)面白いです(*´Д`)要点を抑えて、コンパクトにまとまっております。2012/10/06
poefan
0
書名がやや地味なので見逃すところだった。そしたら三振だった。読後感は三塁打を打った気分。特に第三章は圧巻。ちょっと小さめの本だが山椒は小粒でもぴりりと辛いぞ。2010/02/17
のの
0
公文書について、経過とその意義をわかりやすく説明した本。これまでの本は保存することが自明な上で、どうするかとか歴史的経緯が述べられていたが、公文書が保存されなければいけないのかを、一般の人にわかりやすく説いている。 アーカイブ(ライブラリーやミュージアムもだが)なんて文化事業でいらないじゃん、という単純なものではなく、政治の再検証の基盤であるのです。2010/02/15