集英社文庫<br> 逆回りのお散歩

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集英社文庫
逆回りのお散歩

  • 著者名:三崎亜記【著】
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • 集英社(2016/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087453812

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内容説明

地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく……。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

89
表題作『逆回りのお散歩』…市町村統合のお話ですが、リアルに起こりうる話で面白かったです。ただ仕事後とか疲れてる時に読んでましたので、途中でわからなくなったりして、こんがらちゃって…(^^;)休みの時とかにゆっくり読みたかったですね(^^)2作目『戦争研修』…『となり町戦争』のスピンオフ作品、香西さんがメインの話でした!香西さんと智希の中の良さをうかがえて、なかなかの作品です(^^)行政事業に戦争はあってほしくはないですね(^^;)2作とも三崎亜記さんの世界を堪能でき月日が流れても再読できますね(^^)2016/06/18

NAO

72
A市とC町の統合に関する、なんとも薄気味悪い話。A市とC町には、戦い合った過去があり、A市民はそんな過去など誰も覚えてはいないが、C町民は負けずに持ちこたえた過去に誇りを持っている。そして、いつか見返してやると思い続けてきたのだろう。統合話がでるまでのC町民の動きの用意周到さ。A市民の知らないところで行われている意識操作。A市民は、それにさえ気付かず、あるとき、突然環境が激変していることに気付かされるのだろう。だが、これを、架空の話だと笑い飛ばせるだろうか。2021/04/23

いたろう

67
表題作と、「となり町戦争」の前日談となる短編「戦争研修」の2編。表題作は、地方の市と町の統合を前に、市役所、市によって世論操作された(?)人々と隠れた統合反対派の攻防が、主人公の女性、聡美の視点から描かれる。ことは一地方の話だが、そこにあるのは、日本社会を戯画化した世界か。推進派、反対派、双方ともに疑念が生ずる不可解さ。これが現実なのかもしれない。「となり町戦争」の前日談は、市役所職員の香西さんが主人公。本編で、最後に名前だけ出てきた森見町の町長の息子が、主要な役どころとして登場。そういうことだったのか。2020/05/19

dr2006

55
町の勢いの無さを嘆くも外へは出て行かず、無関心や諦めが蔓延し、主義主張が限りなく希薄化された地方の行政単位が統合する。平成の大合併から暫く経つ今になって何故?統合に向けその正当性が住民に浸透する中、C町によるA市の乗っ取り等主導権を巡る陰謀をネタに反対運動が起こる。主人公の聡美は隠された真実を求め動き出す。架空日本を舞台とした自治ネタは市役所勤務経験のある三崎さんの真骨頂だ。となり町戦争の続編とも言えよう。民間で働く自分には公の視点や切り口が新鮮で興味深いが、作品の価値は読み手に委ねられているとも思う。2020/02/27

佐島楓

51
リアリズムとファンタジーの中間的な作品。小説に何を求めるか、で感想が変わってくる。2016/02/02

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