内容説明
大手石油会社に勤める若手エンジニアの田崎健治は、公害問題を解決する画期的な技術を開発し、将来を嘱望されていた。しかし、些細なきっかけで同期に裏切られ、畑違いの通産省担当に左遷されてしまう。経済成長期の花形産業に渦巻く欲望に翻弄されるエリートの栄光と挫折を描いた、記念すべきデビュー作。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
57
企業小説という カテゴリがあるかどうかわからないが、代表的な 企業小説の旗手高杉 良の本を初めて読んでみた。ひとことで 言うと、ひどくわかりやすい、またひどく読みやすく、一気に読んでしまった。この手のストーリーは、あちこちのドラマ・映画で何度も見ているので目新しくはないが、それなりに小説でも楽しむことができる。それなりにという意味は、モデルはどこだろうということで変な 楽しみ方かもしれないが(^-^;)2004/01/01
とも
20
高杉良氏のデビュー作なんですね。デビュー作ながら氏のスタイルがすでに確立されてる様な書きっぷりは流石です。 労組問題に巻き込まれ、左遷を命じられたエリート技術者の不遇そして退職から転職に至る物語。 時代が違うとは言え、今の企業倫理とは随分とかけ離れてるな。終わり方にモヤモヤは残るものの、登場人物が皆んな良い意味で生々しく臨場感があって満足な読後感。 出光がモデルの話と読後知りビックリ。 ※読んだのは完全版じゃ無かったです(;_;) せっかくナイスして頂いていたのに本当すいません。こっちでした。 2021/07/05
ティーチピー
12
海賊~を先日読了したので、出光関連ということで当作も読みました。ただしこちらは出光を批判的にとらえた内容。海賊~の続きとして読んだ場合は、店主が掲げた崇高な理想を(一部の役員を除いた)社員たちは曲解している、あるいは理解しつつも私欲のために利用しているように感じると思います。そして、主人公を含む登場人物全員がことごとく軽率で傲慢で人間臭い人物が多いのですが、これが高杉氏の作品の良いところでもあり、イライラしつつも面白く読めます。その中でも義父は良識的な人物なのですが…、最後までうまくまとまった作品です。2014/09/28
ふみふむ
10
「海賊とよばれた男」つながりで読んだ。組織の常識は社会の非常識、カリスマ社主の組織ではなおさらと思った。主人公の熱さは高杉氏の作品らしい。雅子との関係は見え見え。2013/06/08
パチーノ
9
出光興産を舞台にした企業小説。果たしてどこまでが本当なのだろうか。主人公の田崎は周囲に振り回され続け、紆余曲折を経て漸く落ち着くことが出来ると思った矢先、奈落の底に突き落とされる。短絡的過ぎたのか、人を信じ易いのか。順風満帆なエリート街道のスタートを切ったがほんの些細なことから経歴も実績も何もかも吹っ飛んでしまう。誰しも起こり得ることではないかと思える。人とのかかわり合いには最善の注意が必要なのである。2016/03/29
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