内容説明
若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)。その奉行のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、伝次郎が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という謎の書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を千編も書き記した根岸肥前守(=歴史上実在の人物)が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
82
こんなオリンピック尽くめの時期に読んだのでちょっと中途半端な読み方しかできなかったがなかなかロジカルな話だった。2018/02/18
roomy
24
ライブラリーにあったので読みました。妻はくノ一みたいにひきこまれはしないものの根岸や宮尾のキャラはかなりツボ。うしろうの活躍がよかった。他の作品も読んでみようかな。2014/08/03
Hugo Grove
20
後ろ姿しか見せないという猫がいい味出してた。2018/01/06
うずら
18
耳袋秘帖その11・妖談シリーズ第1巻。順を追って読むための再読。こちらのシリーズでは椀田と宮尾のコンビですが、事件シリーズの栗田・坂巻コンビとはまた少し違った二人です。椀田の姉のひびきがなかなかよい。夏も冬もまた巡ってくるけれど春は逝くのだという言葉が、何となくわかるような気がします。そんな歳になったのかとも思う。善と悪の境界は難しい。根岸様を救ったうしろうの反射神経はすばらしい。前回読んだ時は面白さがわからなかったので、再読してよかった。2014/05/06
深青
16
シリーズ1冊目。妖の仕業に思える不可解な事件に南町奉行が迫っていく。うん、読み応えもあって面白かった。世の中の酸いも甘いも見てきた南町奉行の根岸様。その手足となって動く椀田と宮尾。3人とも味があって良かった。今後の展開も楽しみです。2016/07/09