内容説明
太平洋戦争中から終戦直後にかけて、著者は〈日本婦道記〉と題した短編を発表し続けた。初期の代表作となったこのシリーズには、未曾有の非常時にあって、古来、戦場の男たちを陰で支え続けてきた日本の妻や母たちの、夫も気づかないところに表われる美質を掘起こしたいとの願いが込められていた。本書には、「忍緒」や「二粒の飴」など、文庫未収録の本シリーズ作品のすべて、17編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
53
鎌倉時代から戦国時代にかけての芯の強い女性たちを主人公にした短編集でした。影で夫を支え、留守をあずかるのは妻でしか出来ないでしょう。面白かったです。2021/12/23
こばまり
51
耐えて尽くしてわきまえて。周五郎先生のヒロインたち、女子力高すぎ。いずれも名調子だが時代性が色濃く反映され私にはどうにも敷居が高い。市井の人々のお話が読みたくなった。2017/09/13
tengen
32
耐える、尽くす、健気な、筋の通った武士の妻たちの短編集。まぁ昭和初期の作品だし。。山本周五郎の直木賞辞退作「日本婦道記」の再編纂版です。「日本婦道記」は講談社から31篇の完全版が上下巻で出ています。新潮社では周五郎自ら厳選した11篇を収めた「小説日本婦道記」があります、本書はその残りから17篇選ばれています。それでも「おもかげ」「花の位置」「小指」の3篇が足らないようです。☆彡笄堀/忍緒/襖/春三たび/障子/阿漕の浦/頬/横笛/郷土/雪しまく峠/髪かざり/菊の系図/壱岐の島/竹槍/蜜柑畑/二粒の飴/萱笠 2024/09/27
金吾
28
○山本周五郎さんの美学に溢れています。なかなかここまでの信念と人を信じる心は持てないなあと思いながら読みました。「忍緒」「襖」「横笛」「竹槍」が良かったです。2025/10/03
恋空
24
17編の短編集。どれもすごく良かったです。「襖」「二粒の飴」が印象に残りました。男性を陰で支え続ける女性✨子を想う母の気持ち✨心が強く一途で凛としていてほんと素晴らしいです。何度もこの先 読み返したくなる予感です☺️2024/12/20




